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これってよく聞く転生?

就職先の新人研修が終わり、育ての親のおじさんの家でのんびり風呂に浸かって疲れを癒やしていたら、夕食の天ぷら鍋に火が付き、おばさんを助けたところで意識が無くなり倒れ込んでしまった迅。


再び気がつくとそこは何もない虚無の世界で周りは真っ白な境界線が全く無い空間にぽつんと一人へたりこんでいる自分がいる。


「迅君、迅君、迅よ〜!」


「誰だ? 俺を呼ぶのは」


「儂じゃ、ほれ、お前さんの前にいる儂がお主を呼んだのじゃよ」


「なぁーんだ、御じいちゃんか!俺に何か用事かい?」


「おお、お前さんは自分が火事の時の一酸化炭素中毒で死んだのを未だ認識できていないようじゃのう」


「えええ、俺って死んじゃったの?」


「そうじゃよ、儂がお主の魂を此処に呼び寄せたのじゃ!それでじゃ、不憫と思うてお主が好きな異世界に君を転生させて、新たな命を与えてあげようと思ってな。一応君の考えを確認してからと此処に呼んだのじゃ」


迅は即答する。


「転生をお願いします!」


「おお、決断が早いのう。それでお主の希望とか有れば聞いてあげたいが・・・」

「はい、出来たら今のこの年よりは少し若い程度に転生し、記憶は残していただけたらと」


「可能だが、して何故じゃな?」


「はい、赤ん坊からでは今まで頑張ってきた生きざまが消えるのは如何にも無念ですし、体術、剣道、叔父達への感謝の気持ちを失いたくないのです」


「おお、迅君よ良く言ったそれでこそ儂が救った意味が有る。儂が出来る事はいろいろサービスしとくので転生した世界で頑張ってくれ」


「他に何か希望は有るか?」


「出来ましたら、言語スキルとか、探索等のスキル、欲張って鑑定スキルを頂ければ!」


「其のへんは転生したらのお楽しみじゃ、サービスはしとくから安心せい。必要なものは【次元収納】の【ストレージ】に入れてある。それと儂の神の加護もつけてな、【ストレージ】と念じればお主の目の前に現れるぞ。そうそう、おぬしが毎日触っておった地球で言う<タブレット>とかいう奴、異世界仕様にして入れてあるから後で見てみよ」


「それじゃ、迅君さらばじゃ」


其の声を最後に暗闇になり再び意識が飛んで、気が付くと何処かの森の切り株のそばに横たわっていた。

目が覚めて、ガバッと飛び起き何処かの街に出なければとキョロキョロしていると馬の嘶きと馬車が走る音が聞こえてくる。


慌てて音のする方に走って行くと左前方からホロの着いた馬車が向かってくる。


迅は手を上げて御者に合図をし、止まって貰い何処に行くのか聞いてみる。


「この先のキースの街に納品に行くんだが」


「其の街まで是非一緒に乗っけてくれないか、魔物に追われて逃げていたら知らない森に入ってしまい焦っていたところなんだ」


「御者台でいいなら俺の隣に座って行きな!」


「ありがとうございます」


「俺はジンといいます、よろしくです」


「おお、俺は隣町のケーシーと言うもんだ、宜しくな」


「ところでケーシーさん、街に入るにはお金が要りますか?」


「ああ、入門する際には冒険者なら冒険者カード、俺達みたいな商人は商人ギルドのカードか住民カードがいるぞ。お前は持ってないのか?」


「住民カードを魔物から逃げるときに何処かに落としたみたいで・・・」


ジンは神様から貰った袋の中に有るお金をケーシーに見られないように探ってみるとそこそこのお金が入っているので金貨と銀貨を出して「これ、使えますか?」と聞いてみる。


「金貨なんてやたら見せるな!銀貨1枚で大丈夫なはずだぞ」


そんな話をしていたら、街の防護壁の門に着いて、衛兵が「ケーシー、いつもご苦労さん、あれ?きょうは隣に坊主が居るがお前の息子か?」


「いやぁー途中で拾った少年だよ、何でも身分証明書を落としたので銀貨を払うそうだ」


「坊主、銀貨1枚と犯罪歴を確認するのでこの水晶に手を添えてくれ!」


ジンは言われるがまま、差し出された水晶に手を添えると、かすかに光って又もとの水晶に戻った。


「特に問題ないな、通っていいぞ」


ジンは衛兵に銀貨1枚を渡した。


「あのー、身分証明書はどこで作ってもらえばいいですか?」


「ああ、一番簡単なのは冒険者ギルドに行き、冒険者になるといえば作ってくれるぞ。若干、金がかかるがね」


「わかりました、ありがとうございます」


ケーシーさんに門の内側で礼を言って別れ、冒険者ギルドに向かう為教えてもらった道を、歩いて100メートル程行った左側に、剣と盾の看板を見つけて中へ入る。


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