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異世界転生におけるピークの刻

 ……見知らぬベットの上で目が覚めた。


 自由に動かぬ手足、鳴き声しか発せられない声帯、そして周りでは明らかに西洋風な人たちが聞いたことのない言語を話し、忙しそうに動き回っている。


 ――本当に異世界転生してしまったようだ


 目が覚めたら夢でした~なんてオチを期待して、ボーっとしたり泣き叫んだりしてすごしてみたが、どうやら現実を見つめる時が来たようだ。

 ……嫌すぎる現実をな


 だが幸いにも俺は異世界転生のプロ(読者)、「俺なんかやっちゃいました?」とか言い出すにわかとは訳が違う。

 こんな状況にだってクールに対応して見せるつもりだ


 まず最初にやることは、そうだな……ステータスウィンドウ……か?


 ――ステータスウィンドウ、是即ち異世界における基本にして奥義

 数値化できるはずがない人間の能力を可視化することによって、自身の能力の把握、体力の管理、成長方針の決定などを可能とする異世界とんでも設定。

 ……考えた奴は、正に天才である。

 今やこれがないと異世界は始まらないといってもいいだろう。


 では早速……


(ステータスウィンドウ、オープン!)


 声帯が未発達なので声は出せないが、きっとこれで出てくるだろう。

というか、出てこなければわざわざ赤ん坊に転生した意味がない。

 ……意味がない……意味がないのだが……


(……出てこない……だと……)


 まさか……ステータスの無い世界……なのか……


 ………………


 何度か試してみたが予兆すら感じられなかった。そうなると、声に出す必要があるか、そもそもステータスウィンドウのない世界かということになる。

 しかし、声に出すことが必須なんてことがあるのか?

 ……どちらにしろ今は検証することができないので後回しとする。


 そうさ、まだ俺は焦っちゃあいない。

 まだこれがある……そう、【異世界三大チート】が!

 

 ――異世界三大チート、是即ち異世界転生者たる証

 これをいくつ持っているかで、異世界難易度が激変してしまう程の代物


(三つ!三つください!)


 では早速……


(鑑定!)


 ………………


 おい……ちょっと……まて……

 何も起きない……だと……


 それなら魔法はどうだ?声が出なくても無詠唱魔法とかあるし……でも魔力とか全く感じないんだけど。

 アイテムボックスは?そもそもどうやって出す?どうやってしまう?

 強奪は?コピーは?能力無効化は?


 ――試した、いろんなことを試した。だが一つとし成果が上がらなかった。


 見知らぬベットで泣き叫びながら俺は思う


 これ転生した意味……なくね?

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