七十三話:田中のスキル
一話目です!
万が一のために防御に回していた速度を回収して、元のチートともいえる速度に戻す。
そしてそのまま最短距離で階層を抜ける。
アイテムなどを持っていない田中はついてくることができない。
もっと上のレベルであれば、ぶっ壊れた性能を持つスキルも取得が可能だと聞くが、少なくともこのレベル帯ではこの速度に追いつけはしないだろう。
もうこのまま5階層まで行ってしまうか。
宙がそんなことを考えながら走って行った直後。
物陰から田中が顔を出した。
「クッソ! 急に防御が消えたと思ったら速くなりやがって!」
悪態をつきながら、駆けてきたレッドトロルを切り伏せる。
「今度はアイテムに頼んのかアイツ!!」
大声を出したせいで数体の魔物がよってくるが、それらを気にも留めずに可能な限りの速さで宙の後を追う。
もちろん姿など見えるはずがないが、『追尾』スキルのおかげで大体の位置はわかっている。
「『加速』!」
スキルを発動し、走り出す。
その速さに追いつけるものは同レベル帯にいないはずだが、追尾スキルによりわかる宙との距離はみるみる離れていく。
ひとつ舌打ちをし、さらに速度を上げ、周りの魔物に構わず、最短ルートで追いかける。
初めから、総合スコアなんて二の次なのだ。
少しして、宙の反応が別のものに変わる。次の階層に行ったのだろう。
それと同時に、視界の右端に表示されていた画面が消える。
消える直前の画面には、こんな表記があった。
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天宮 宙 15歳
基礎攻撃力:1173(782)
基礎防御力:1173(782)
基礎魔法力:1173(782)
推定強度/魔物ランク :D -
推定強度/冒険者ランク :E
対比 7:1
推定勝率98%
*ステータス隠蔽可能生:0%
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多分。
田中は、速度のことを考えたことはないだろう。




