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新たな日常

地底人「戦闘物のハイファンタジーのくせに、10話も書いといて技名も詠唱も出てないとかなに考えてるんだ?」

作者「うるさい黙れ」

あれから数日、ユーゴとルーは店で買い物をしていた。

リガの街は地方都市にしては大きく、商店やほかの店もかなり充実しており、生活しやすい。

伯爵家の代々が努力した証でもある。


剣の国 ユーゴ


「おばあちゃんこんにちは!この野菜美味しいそうですね!」


「ああ、ルーちゃん。いらっしゃい。今日のおススメだよ。入ったばかりでね。買ってくかい?」


「はい!3つください!」


「はいはい。ちょっと待っててね」


野菜を売っているお婆さんが、ルーのことを孫を見るかのような目でニコニコしている。俺もニコニコしたいところだが、俺を見るお婆さんの目が、この子に何かしたらアンタは肥料だと言っている。怖い。

おっと、奥の爺さんもニコニコだ。よかった、肥料にされてない。ジネットと来た時は、もう顔を見ることは無いだろう思っていたが生きているようだ何よりだ。


あと、お婆さん。何かされているのは実は俺の方だ。寝室のルーは無茶苦茶積極的なのだ。最近色が増えてきている。赤とか紫とか…、大丈夫?ちゃんと自分のためにお金使ってる?これ以上興奮すると、おっさん死んじゃうよ?

次はパン屋だな。だからお婆さん怖いって。


「おう嬢ちゃんいらっしゃい!」


「こんにちは!今日も買い物に来ました!」


「はいよ、見て行ってくれ!」


店主よ俺には?

いやよそう、目が、お前は竈行きだと告げている。

分かるよ店主。俺も。平民の男が、こんなメイド服着た少女に、ご主人様と呼ばれている上に、薬指に指輪まで嵌めているのだ。俺だって竈にそいつを突っ込む。

だが信じてほしい。俺が言い出したことではないのだ。性癖にぶっ刺さってることは否定しないが…。悪いのは故郷だ。何もかもあそこの変態共が悪いのだ。


世間の話だと、また、騎士の国と魔法の国がきな臭いようだ。あそこは誕生がほぼ同時で、何かと張り合う上に、公正を心がける騎士と、研究のためならちょっといいよね?と思う魔法使いの相性がすこぶる悪い。そのせいで国境での小競り合いなんざしょっちゅうだ。

流石に、何の得にもならないから、"遺物"や"勇者"の投入はしないが、極々限定的な戦闘くらい起きる。

まあ、いつものだろう。自分の勘もそう言っている。まただと。


まあ、そのせいで国境や街道の治安はある意味ダントツだ。なにせ至る所に巡回や警備の兵がいる。安全という意味では…。行商が盗賊や魔物に襲われた、なんて話は聞いたことが無いが、荷物を調査され、スパイじゃないかと疑われまくるので、胃に穴が開くだろう。安全を取るか胃を取るか。難しいところだ。


おっと、世間話も終わったようだ。ルーよ、見事な主婦っぷりだ。いい奥さんになるだろう。いや、もうなっていたな。ふはは。

悪かったよ店主。今のは俺が悪い。だからそんな熱い視線で見ないでくれ。


「おっさん止まれ!荷物検査だ!」


「止まれ!」


「お菓子頂戴」


ええい。久しぶりだな、がきんちょ共。今日は魔法使いか。お前らも国境警備か、ここは街中だぞ。

ルーはニコニコしているが、ダークエルフということもあって気後れしているようだ。


「おお、がきんちょ達よ、お見逃し下さい。今日は何も持っていないのです」


「問答無用!ポケットを調査する!」


わらわら群がってきおって、何も無いわい。


「隊長!ポケットに何も有りません!」


「お菓子ない」


「なにい!」


はっはっ、普段から取り出しているのは実はポケットではないのだ。甘かったな。


「ええい!行ってよし!次からは準備しておくように!行くぞ皆!またな!」


「じゃあなおっさん!」


「ばいばい」


賄賂を要求してきやがった。なんて悪徳警備だ。


「おお、がきんちょ達よ。ありがとうございます。あとちゃんと勉強しないと、いい魔法使いには成れないぞ」


あれは、世界の法則に介入しているのだ。気合を入れて学ぶ必要がある。


「うっせえ!」


はっはっ。


「ただいま」


「ただいまお姉ちゃん!」


「…お帰りなさいませ」


帰るとジネットが迎えてくれた。別行動でちょっと時間が空くと、今も少し俯いて顔が赤い。可愛い。

家に入ると後ろから静々付いてきた。俺の事立ててくれてるの?そんなことしなくていいよ?可愛い。


「ジネット。ルーもだけど、俺の事立ててくれてる?そんな事しないでいいよ。自意識過剰かな?」


「ルーは大丈夫です!」


「…好きでやっています」


ルーよ。よく意味が分かってなくない?後、ジネットまた顔が赤いよ。可愛い。二人とも大好き。


「わかった。さあ、行こう」


「はい!」


「…はい」


今日の晩御飯は何かな。手伝った方がいいんだろうけど、明らかに邪魔になるからなあ。お料理教室とかこの世界やってないかな?


「あ、今日のお野菜、すっごく精の付くものも買ってます!楽しみです!」


「…ルー」


…え?そんなのも買ってたの?そら、野菜屋のおばあさんあんな目で見てくるはずだ。あと、ジネットが完全に俯いた。可愛い。

ええい、腹を括ろう。

国家辞典

騎士の国:大陸中央からやや南西の国。国王を中心に強力な騎士団を抱えており、一部は飛竜、天馬を使役している。また、"勇者"の戦闘力は他国に比べると随一で、大多数の特級冒険者に勝利を収められる。

総じて強力な国家であるが、仲の悪い魔法の国が所持している数々の"遺物"を恐れていることと、祈りの国の介入により軍事行動に起こしていない。

ー国王陛下と騎士の国に絶対の忠誠を!-



魔法の国:大陸中央からやや南東の国、最高位の魔法使いによる協議により方針が定められているが、計測された星の動きなども考慮される一風変わった面がある。

高度な魔法を学べる魔法学院や、研究所、巨大な図書館等が存在し、大陸中の知識人たちがよく訪れている。それゆえ、研究、解析のため大陸中から"遺物"を取集しており、抱えている軍以上の戦闘力を持っている。

しかしながら、大陸の倫理観に反する研究も複数行っており、幾つか漏れた研究内容に騎士の国が、懸念を持つ原因となった。

ー知識を高めよ 世界の法則に己を組み込むのだー




超余談 星の動きによって予測された、なんらかの大災害をどこかの誰かがしょっちゅうぶっ壊すせいで、現在正確性を疑問視されている。


もし、面白いと思われる方がいらっしゃったら、ブクマ 感想 下にある☆マークで評価をしてくれると、作者が泣いて喜びます…。



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― 新着の感想 ―
うちうじん は 編集だ ちていじん は 読者か? こういう小細工大好物です。 本編も楽しんで読ませていただきました。
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