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「じゃあ、こういうのはどうかな?」
「?」
私は適度に女の子の髪の質感に惚れ惚れする作業に没頭しながら、ちゃんと女の子の為に考えを巡らせていたのだ。
幼女はあどけない表情で私を見ている。
【兎に角、数打てば当たる】。
一度駄目だからといって、すんなり諦めるのはよくない。
方法が悪かったか、タイミングが悪かったか、何にせよまだまだ試す手立てが残っている以上すべてやってみるべきだ。
そんな私の信条を、シチミに伝えた。
「分かった。でも、どうしたらいいか分からない」
「うーん……じゃあ、とりあえず私の大好物を、シチミが食べまくってみようか」
「食べまくる……の?」
私は手始めに、家の中の散策を始めた。
家中のあらゆる戸棚を開け回った後、冷蔵庫の中身をすべてひっくり返すがごとく徹底的に【探索】に時間を費やした。
その甲斐もあって、結構な数の食品を見つけることに成功した。
田舎の母が送ってくれた【温州みかん】、数年前から冷凍庫に眠っていたと思われる真っ白の【冷凍鍋焼きうどん】、先週買って食べ忘れていた一個300円の【高級プリン】、先月ハマってしまい買い込んだ【カレー明太チップス】、ベッドの下で見つけた友達のイタリア土産の【チーズ飴】
どれも私の大好物と言えなくもない。
よし、さあさあ お食べなさい幼女よ。