詩 絶滅都市と最後のあなた
「信じてはいけませんか 私達の世界を
希望を持ってはいけませんか 私達の世界に」
この世界に 光はなく 満ちるのは闇ばかり
希望なき世界 見渡せば あるのは絶望だけ
……だと 人はそう言うけれど
夜があるから 朝が来る 光があるから 闇がある
……けど
長く夜が続こうとも朝日は昇り
闇が満ちようとも それは光があった証拠
そう だから
「目を閉じないで 希望はまだ そこにあるから」
命は時にあっけなく消えてしまう 育んだものも一瞬にして
「あなたはこの世界を
無情な世界だと言うかもしれない
非情な世界だとそう言うかもしれない」
「だけど そうだとしても
だからこそ尊いと思えるものがある
手にしたいと思う輝きがある」
――――生まれてくる命に語るのは どんなあなたの世界?
――――育んだ絆が教えてくれるのは どんな道になる?
寂れた町の中 崩落した橋の上 誰もいない駅の中
今は夜 そして包むのは闇
もうすこし あとすこし 朝と光を待ち続けて
――私はそこで待ってるから
終わってしまった結果だけを見れば悲劇かもしれない
だけど その過程の中には あと少し ほんの少しでも 頑張ろう 耐えようと
そう思った気持ちがあるかもしれない
もう駄目だと思ったそう場所から 一歩でも歩けたのなら 希望を手にする事が出来たのなら
それはきっと とってもすごくて強い事だと思います
終わってしまった事は悲しいです 悲しむ事も大事だと思います
けれど よく頑張ったねと褒めて その歩みと足掻きに気づく事も大切なんじゃないでしょうか