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『悪魔の囁き』  作者: 立花 伊織
1/1

~プロローグ~

これは、平凡な生活を送っていた俺こと五十嵐 碧とある日現れた美しい悪魔の物語です。

じりじりと照りつける八月の日差しを浴びながら、俺は日常に飽き飽きしていた。

そんな時、そいつは現れた。

ーねぇ、五十嵐 碧くん。

「ボクと世界を滅ぼさないかい?」

あまりに驚き、目を見開く。

なんだ、こいつは。

いわゆる電波っつーやつだろうか。

腰まで伸びた蜂蜜色の金髪や青い炎のような瞳。どうやら、外国人のようだ。

おおかた、日本のアニメなどに影響されたのであろう。


「君はこの世界に満足してる?

いや、していないだろうね。

ボクだって、満足などしていないさ。このボクだってね。」


そんなふうに、彼女は如何にも芝居じみた口調で続ける。きめ細やかな肌に、悪魔のごとき美しさ。なのに電波とは……もったいないね。

はいはい、と受け流そうとした時。

表情に獣のような怒りがやどり、そして、彼女の目はーー真っ赤に燃え盛っていた。

嗚呼、いけないいけない、ボクまたやっちゃったよ、と溜息を吐く。


なんだこいつは。なんなのだ。

「まぁ驚くのも無理はないね。人の目の色が変わるなんて驚いた?そう、ボクは人ではないのさ。」

俺の日常が壊れていく。こいつは、関わってはいけないやつだったのだろう。本能がそう言っている。

今までこれ程日常が恋しかったことがあっただろうか。


女はいたずらっ子のようなあどけない顔で笑っている。

「さぁ、五十嵐 碧くん。今からボクに殺されるのと、ボクと世界を滅ぼすこと。どっちがいい?」


しかし、女の表情は真剣そのもの。

はは……。と乾いた笑いを浮かべる。

「断る訳ないだろう。俺がこの退屈な世界を滅ぼす。」


急き立てるように感情が高ぶっていく。

嗚呼 嗚呼 俺自身で世界を滅ぼせるこの嬉しさ。我ながらおかしいと思うほどに感情が高ぶっていた。

あははははははははははは

狂った笑い声が空に響く。


あの頃の俺は、これからの出来事を予想もしていなかったのだったーーーーー。




お読み下さり誠にありがとうございました

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