表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/26

イケメンに告白されたけどイケメンがバグった

 女装などという変わった性癖を持つ私ではあるが、他は割と普通の思春期男子と変わらない。

 普通に女の子が好きだしゲームだってやるし好きなアイドルだっている。

 私に女装以外に変な性癖はない。断じてMではないしSでもない。

 なので、見た目茶髪ストレートな正統派美人に睨まれても嬉しくない。むしろ恐い。

 笑って! 女の子は笑顔が一番だってばっちゃが言ってた!


「もう、いつまで睨んでいるんですのキミカ?」


 昼休みの食堂。藤絵さんの頼んで北条さんと和解の場を設けたものの、空気がはりつめ過ぎて私たちの周囲だけ昼休みだというのに席が空いてる。

 ……無関係な生徒の皆さんごめんなさい。


「だって、何で話し合いたいと言いながら女装なのよ!?」

「ですよねー」


 人差し指を向けてくる北条さんに、失礼だとも言い返せずむしろ納得してしまう。

 はい、またしても私は女装です。何か最近学校で女装してる時間の方が長い気がする。

 教師に注意されないのも謎だ。生徒会長だから見逃されているのか。……むしろ生徒会長だからこそ注意するでしょ普通!?


「それは……その、私が頼んだから……」


 そう。男性恐怖症な藤絵さんに余計な心労を与えないための女装です。

 恥じらうように顔をふせ、頬を赤く染めながら言う藤絵さん。

 やめて、可愛すぎて私の理性がヤバい。


「まさか……あの噂は本当なの?」

「噂?」

「レイカ様が古雅と付き合って……」

「よーし、出てこい眼鏡☆ミ」

「いやいやいや、私じゃないよ!? 今回はマジで!」


 トチ狂った噂が流れやがってるので笑顔で元凶を探すも否定された。

 でもすぐに反応があったので、近くで観察はしてるらしい。


「そ、そんな噂が!?」


 そして顔面真っ赤にして硬直してる藤絵さん。ここまで来ると大丈夫かと心配になってくる。


「だってレイカ様が綾月様と疎遠になった原因が古雅だって」

「合ってるけど間違ってる!?」


 私は間接的原因であって直接は関係ねぇ!?


「古雅くん逃げて!」

「いきなり何ですか!?」


 徐々にカオスになってきた食堂に、アオイ先輩がキツネうどん片手に現れる。

 アオイ先輩キツネうどんとか食べるんだ。というか走りながらうどんの乗ったトレイを片手で運ぶアオイ先輩マジパねぇ。


「リョウちゃん!」


 そしてアオイ先輩からしばし遅れて現れたのは綾月先ぱ……。


『ぎゃああああ!?』

『きゃああああ!?』


 その綾月先輩を見て、男子が野太い悲鳴をあげ女子が黄色い悲鳴をあげ、食堂はさらなるカオスに包まれる。


「何で女装してんねん!?」


 すらりとしたスタイリッシュな綾月先輩の肢体は、パツパツな女子の制服に包まれていた。

 ……どうしてそうなった!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ