イケメンに告白されたけど生徒会長就任
生徒会長に立候補したと思ったら生徒会長になっていた。な、何を言ってるか「分かるから」
……最近委員長のつっこみが容赦ない。
しかし僅差とはいえ、藤絵さんに勝てたのは未だに信じられない。
どうしてかなと考えていた俺に、委員長から衝撃的な事実が知らされた。
「何か生徒の一部が古雅くんのこと女だと思ってるらしいよ」
「解せぬ」
というかあり得ない。俺が女装趣味だと言う噂が生徒会立候補前に流れたのに、何故に真性女子だと思われるのか。
「あの噂が流れきる前に立候補だったから。ポスターと演説姿だけ見て女子だと勘違いしたんじゃない」
つまり女装しての選挙活動が、見事に勝利を引き寄せたらしい。
……知らない生徒からすれば詐欺じゃねぇか!?
ともあれ、生徒会長になってしまったからには仕方ない。
惜しくも敗れた藤絵さんに報いるためにも、全力で挑まねばなるまい。
というわけで、まずは顔合わせを行う。
私は新生徒会長として、アオイ先輩と並んで生徒会室に居た。
……女装で。
「……もう泣いていいかな?」
「ど、どうしたんですか会長!?」
「泣かないでください会長!?」
突然涙ぐんだ私に、一年生の役員たちがわたわたしながら慰めてくる。
うん、良い子ばかりで嬉しい。最近変人ばかり周りに居たからとくに。
「ありがとう。大丈夫だから。心配かけてごめんなさい」
「い、いえ」
緊張気味に返事をする小柄な一年女子。というか身構えてる。
……私(変態)のせいですね。分かります。
「えーと、じゃあ端から順番に自己紹介していってくれるかな?」
「はい! 一年A組皿ヶ嶺ケイタです!」
何故か重い雰囲気をぶち破り、元気よく言い放った皿ヶ嶺くんとやら。
よくやった。今度から何かあったら君にふることにする。
「一年D組。小林セイラです」
続いて小柄な一年小林さん。大人しそうなので取り扱い注意か。微妙に私を警戒してるし。
「……書記担当。二年A組の北条キミカよ」
自己紹介するなりキッと私を睨んでくる北条さん。
つり目美人なのでめっちゃ恐い。私何かしましたか?
「あの子は藤絵さんの派閥の子よ」
「あー……」
アオイ先輩の耳打ちに納得。彼女からすれば私は藤絵さんを蹴落とした敵なわけで、睨むのも仕方ない。
まあいざこざを持ち込まれても困るし、藤絵さんに頼んで注意はしといた方が良いかもしれない。
「会計担当、二年F組前田カガト。お札を数えてるだけで時間を潰せるくらいお金大好きです!」
まった濃いのが……。
見た目普通なのに、いきなりはじけよったわこやつ。
「……横領はしないように」
「むしろ増やして返します!」
「持ち出すなっつってんだよ!?」
要注意。要注意だこいつ。
「副会長を勤めることになりました。二年B組の三枝ミキです」
「どこかでお会いしませんでしたか?」
というか三枝さん。どっから見てもアオイ先輩家のメイドな三枝さん。
何故に学校に通っていてかつ副会長になってるのですか。
「ああ、この子は古雅くんが知ってる三枝ユキさんの妹さんよ」
「妹!?」
似すぎというか瓜二つなんですが。
妹さんが大人びてるのか、お姉さんが若作りなのか。聞いたらめんどくさいことになりそうだから聞かないけど。
「姉がご迷惑をおかけしました」
ホントにな。まあ一番迷惑振りまいてたのはメイドよりも主の方だったけど。
「因みにミキさんも卒業後はうちでメイドとして働く予定なの」
「へぇ」
「というわけでミキさん。これからは古雅くんを主人として尽くしなさい」
「何でやねん」
「かしこまりました」
「かしこまるの!?」
分からん。姉もよく分からん人だったけど、妹も分からん。
まあ有能そうな人だから、副会長なのはありがたいけど。
「じゃあ最後に。生徒会長を務めることになりました、二年C組古雅リョウです。このような役職を預かること自体が初めてで、至らぬことも多々あるかと思いますが、やるからには全力でをモットーに励んでいきたいと思います。ご迷惑をかけることもあるとは思いますが、皆で協力して生徒会を運営していきましょう」
私が言葉を切ると、アオイ先輩が拍手をし、それに遅れて新役員たちの拍手が加わっていく。
懸念だった北条さんも、鋭い目のまま拍手をしてくれる。案外うまくやっていけるかもしれない。
「では、皆さん頑張っていきましょう」
こうして私を生徒会長とした、新しい生徒会の運営が始まった。
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「ところで何か質問とかあるかな?」
「はい! 会長は何で女装してるんですか!」
「趣味だ! 悪いか!?」
「可愛いから悪くないです!」
以上、私と一年の皿ヶ嶺くんの頭の悪い会話。
同じく一年の小林さんがドン引きしてて私は泣いた。




