イケメンに告白されたけど学級裁判
学級裁判。それは多数決という名のつるし上げ。
何せ行うのは大多数がただの学生である。論理的な議論が出来ない人もいるし、声の大きい人の意見を「そうなのかな?」と流される人も多い。
まあ何が言いたいかというと、学級裁判なんて被告人にされた時点で終わってるわけで。
そんな終わってる立ち居地に、何故に俺は立っているのでしょうか。
「さて、これより学級裁判を行います」
藤絵さんと友達になり、一日置いての放課後。うちのクラスは机を四方に向かい合うように並べ、どこぞのサミット会場のような状態になっていた。
そしてそのぐるりと囲まれた机の中心にぽつんと立つ俺。
……解せぬ。
「判決。死刑」
「早!?」
解せぬどころの騒ぎじゃねえ!?
罪状すら読み上げないのかよこの裁判!?
「……!?」
しかしその時動いた人間が居た。
弁護人席に座っていた、読者はもう存在を忘れているであろうクラスのムードメーカー竹内……竹之内だっけ?が立ち上がり、人差し指を突きだしたのだ。
「異議無し!」
「無いのかよ!?」
じゃあ何で立ち上がって人差し指を突きつけたんだよ!?
どう考えてもそれはかの有名な「意義あり!!」のポーズだろ!?
「いや、一度やってみたかったけど、女子に逆らう度胸は無いし」
「このヘタレがッ!!」
まあそれも仕方ないというか、うちのクラス女子の方が多いから、多数決になったら女子が勝つし。
……男子の方が多くても勝てる気がしないけどな!
「というか何考えてるのかな古雅くんは。何でライバルの藤ピーと友達になっちゃってるのかな?」
「え……? 何か駄目だった?」
俺的には別に構わないと思ったんだが。
だが大多数の女子はそう思ってないらしく、いまにも気勢を上げん勢いで噛み付いてくる。
「藤絵さんのクソ生意気な取り巻き共を叩き潰すチャンスなのに!?」
「恐!?」
女子恐!? 叩き潰すって具体的に何をどうする気なの!?
俺もしかしてすっごいヤバイ立場に追い込まれてない!?
「えー……藤絵さん良い人だったよ? 可愛かったし」
『……』
「……あれ?」
突然静かになる教室。男子も女子も、穴が開きそうな勢いで俺を見ている。
……何ぞ?
「……ハニートラップだと!?」
「待てや」
何故そうなる。
「だって彩月先輩にも九重先輩にも靡かなかった古雅くんが!?」
「そりゃアオイ先輩はあくまで憧れの先輩で恐れ多いと言うか……って彩月先輩に靡くわけねえだろ!?」
「え? 古雅くんバイじゃ無かったの!?」
「ゴルァ!? その認識どっからわいた!?」
教室大混乱。
というか俺がバイセクシャルだといつから誤解されていた!? 一言もそんな事を言った覚えは無いぞ俺!?
「え? 宮小路先輩気にしてたのってそういう事じゃなかったの!?」
「違げぇ!?」
発生源はおまえか委員長。そして宮小路先輩の件は昨日聞いただけなのに、何でバイセクシャル認識がもう広がってるんだよ!?
「ああ、もう落ち着け。とにかく俺はバイじゃ無い。OK?」
『おけ!』
さすがに苛立ってきたので教室全体を睨みながら言えば、クラスメート全員が親指立てながら答えた。
「じゃあ藤絵さんと付き合うようになったのは本当なんだね?」
「よーし、動くなそこの眼鏡」
誤解に誤解を重ねやがるのでいい加減キレた。というかよく見たらいつもの「女装しかあるまい」発言の眼鏡女子だし。
「……あ、私引き際ミスった?」
「眼鏡は外しとけよー。一緒に粉砕するぞ」
「何を!?」
グリグリしてやる。顔面崩壊するほどグリグリしてやる。俺がいつまでも優しいと思うなよ。
その後、生徒数が無駄に多くでかい校舎に「ぎにゃあーーーー!?」という何とも女らしくない悲鳴が響き渡った。
そして次の日「古雅リョウはドS」という噂が広まり、その噂を広げた女子の悲鳴が再び響き渡るのだった。
学級裁判て実際どんなときに起こるかなと調べたら、ダンガンロンパしか引っかからなかったでござる。




