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第一章 第一話 転生

「ガハッッッ」


俺は忘れていた呼吸の仕方をゆっくり思いだす。

「目が覚めたようですね」

目の前には何もない空間が広がっていた。そこにただ一人、女神と名乗る女が立っていた。

「初めまして。私の名前はクロリア=フィルと申します。フィルとお呼びください」

「は?」

「混乱しているようですね。一旦落ち着いて下さい。」

何が起こっているのか分からない俺はとりあえず考えるのを止めてフィルと名乗る女に聞いてみる。

「俺は天野悠翔あまのゆうとだ。ここはどこで俺は何でこんな所に居る」

「単刀直入に言いますと天野悠翔さん、あなたは死にました」

「死んだ?」

突然の言葉に俺は驚きを隠すことができなかった。

「はい。ですが正確に言うと死ぬ直前であなたの肉体と魂を保護しました」

「待て待て待て待て、どういうことだ」

は?死んだ?そんな記憶もなければ全ての指先まで自由に動かせる。何を言ってるんだ?この女は。

「あなたは学校帰りに彼女である白崎美樹(しろさきみき)さんと電車に乗り、目的地に着くとそこには集団テロリストがいてあなた方は殺されてしまいました」

テロリスト?さっきからこいつは何を言ってるんだ?そもそも昨日は美樹と一緒にはいなかったぞ。

「俺にはそんな記憶全くないぞ」

「それは仕方ありません。肉体と魂を保護した後、状態を修復させました。その際に回復魔法では治療ができなかったため一日前の状態にしました。すべてを戻したので残念ながら記憶も一日前に戻ってしまったのです」

「それが本当なら、なんで俺だけを助けたんだ?何で美樹も助けなかった!」

嘘でも本当でも大事な彼女を見殺しにされたとなれば腹が立つ。

「転生させることのできる人を選ぶのは私の力だけでは不可能だったからです。この世界に来るための条件を満たしていないといくら神の力であっても限界がありました」

意味が分からない。転生?この世界に来るための条件?ふざけるな。

昨日まで普通に生活していたのに急に俺も美樹も死んだと言われ怒りが込み上げてきた。

「俺がそれを望んだとでも言うのか!どうせ勝手に転生させようとしているだけだろ!」

「いえ、あなた自身が望んだことです。記憶がないので混乱してしまうのは仕方ありませんが、あなた自身の意志を尊重しての結果です」

訳が分からない。俺が望んだだと?美樹も死んでいるのにそんなことを望むはずがないだろう。

「記憶を戻すことはできるのか」

「現状ではできません」

「現状では?」

「はい。記憶を取り戻すカギはこの世界にあります」

「なぁ、フィル、お前には感情はないのか」

淡々と現状を伝えてくるフィルに苛立ちを覚えながら俺は質問した。

「あります」

即答されてしまった。てっきり無いと言われると思っていた俺は内心驚いた。

「どうせ冷酷に扱っているのも何かの理由があるんだろ」

「はい、ですがお答えすることはできません」

「だろうな。まぁいい、で、ただ異世界に飛ばすだけならここに呼ぶ必要はないよな。何の用があってここに呼んだんだ」

「あなたにギフトをお渡ししようと思いここに来ていただきました」

「ギフト?」

転生ものの小説やアニメでよくある特殊能力的なものだろうか。

「はい、あなたに選ぶ権利がございます」

「今更だが、あなたって呼ぶのやめてくれないか」

「失礼しました。それでは天野様……」

「悠翔でいい」

「それでは悠翔様、これから紹介するギフトから三つお選びください」

フィルから言われたギフトはこうだった。

風の加護・風魔法の威力上昇。風魔法使用の際、マナの消費量の軽減。条件達成で特級スキルを獲得可能。

火の加護・火魔法の威力上昇。火魔法使用の際、マナの消費量の軽減。条件達成で特級スキルを獲得可能。

水の加護・水魔法の威力上昇。水魔法使用の際、マナの消費量の軽減。条件達成で特級スキルを獲得可能。

土の加護・土魔法の威力上昇。土魔法使用の際、マナの消費量の軽減。条件達成で特級スキルを獲得可能。

光の加護・光魔法の威力上昇。光魔法使用の際、マナの消費量の軽減。条件達成で特級スキルを獲得可能。

闇の加護・闇魔法の威力上昇。闇魔法使用の際、マナの消費量の軽減。条件達成で特級スキルを獲得可能。

魔の加護・片目を代償に魔眼を獲得。周囲のモンスターやマナを持っている人間を感知可能。条件達成で特級スキルを獲得可能。闇の加護を持っていると闇魔法の威力上昇。

獅子の加護・獲得経験値が減少する代わりに任意の敵を威圧、討伐可能。条件達成で特級スキルを獲得可能。光の加護を持っていると光魔法の威力上昇。

知の加護・体力、攻撃力の初期ステータスダウン。経験値獲得上昇。経験値獲得時、体力、攻撃力の上昇値減少。自身のレベルアップ時魔法取得確率上昇。条件達成で特級スキル獲得可能。

食の加護・料理のスキル上昇。自身を含め料理を食べた者に一定時間能力上昇の効果を付与する。スキルレベルに応じて、食べた者に与える付与効果上昇。条件達成で上級スキル獲得可能。

「与えられる加護はこれだけです。なお、加護のレベルアップ、新規獲得も可能ですが、自身のレベルアップ時、クラスアップ時にたまに獲得です」

「特級スキルってのはなんだ?」

「特級スキルはその加護を持っている者にしか扱えないスキルです。獲得可能スキルはステータスによって左右されます」

「望んだものが手に入るとは限らないってことだな?」

「はい、その通りです。ですが、いつか必ず役に立つスキルということはお約束します」

「わかった」

俺は何を持っていれば自分に有利になるのかを考えこんでいた。

「ちなみに転生する世界はどんな世界なんだ?」

「詳しく答えることはできませんが、少しだけお話します。悠翔様の転生先はエルド国という冒険者の国です。この国には冒険者だけでなく、行商人、鍛冶師など様々な職業が存在しています。レベルを上げると、クラスの選択やクラスアップ、クラスチェンジが行えるようになります。私がお話しできる範囲はここまでです」

「本当に少ししか話さないのかよ」

正直もっと話をしてもらいたかった。ギフトを受け取るにあたって、どんな世界化を知っていないと選びようがないからだ。

「まぁいい、とりあえずギフトを選択しようか」

俺は再びじっくりと考えることにした。

各属性の加護はどれか一つはもらうとして、他に属性以外の加護をどれにするのかが悩ましいところだ。加護の能力は素晴らしいものだが、代償がでかすぎる。

「魔法は加護なしでも使えるのか?」

「はい、使用可能です。加護を持っている者よりは威力は劣ります」

「決まった、光の加護、獅子の加護、知の加護を貰う」

正直すごく迷った。属性の加護を持っていれば多くのパターンで戦うことができるし、他の加護を持っていれば戦闘自体が楽になる。まぁ、食の加護は別として……。

「わかりました。それでは加護を付与いたします」

フィルがそう言った瞬間、俺の体の中が暖かくなってきた。

「なんだ、この感覚は」

「それはマナです。魔法を使用する際に必要になる動力です」

そういわれると、加護の付与が終わった。

「これで加護の付与は終わりです。それではエルド国に転生させます。何か聞いておきたいことはありますか?」

「俺は一生この世界にいないといけないのか?」

「……それは冒険をしている中で答えを見つけてください」

フィルはどこか悲しそうに呟いた。

「そうか、まぁ、聞きたいことはそれだけかな」

「では少し目を閉じてください」

俺は言われた通り目を瞑った。フィルがなにか呟いているが聞き取れない。だが最後に、

「……頑張ってね、行ってらっしゃい」

と言われたことはわかった。

ものの数秒後、風が当たる感覚がして俺は目を開ける。

「な……なんだこの城は!!」

アニメの世界でしか見たことのないような大きい城が目の前にあった。


第一章 第一話 転生

ご覧いただきありがとうございました!

とりあえず書いててどこで区切ればいいのか分からなかったのでドーンと投稿してみました!

また読みたいなという作品に仕上げていきたいのでアドバイスよろしくお願いいたします!

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