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4度目の転生勇者は静かに暮らしたい ~もう魔王討伐は新入り(勇者)に任せたので、俺は美少女たちと諸国漫遊グルメ旅に出ます~  作者: のびろう。
第七章 湯けむりラプソディと、目覚める乙女心

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秘湯の乱戦と、ラッキースケベ

それは、ユートが岩陰で「男の至福」を噛み締めていた少し前のこと。

即席で作られた女性用脱衣所と洗い場では、湯気と共に、甘く、そして少し危険な香りのする「作戦会議」が開かれていた。


「……ふふふ。いい香りですわ」


アリアはユート特製のボディーソープをたっぷりと泡立てながら、上機嫌で鼻歌を歌っていた。

その肌は洞窟内の発光苔の明かりを受けて、陶磁器のように白く輝いている。


「騎士様のお好みの香り……これを全身に纏えば、騎士様もイチコロですわね」


彼女は隠そうともしない。

その全身から「今夜こそ決めてやる」とでもいうようなオーラが立ち昇っている。

アリアにとって、この混浴は「ハプニング」ではなく当たり前の「イベント」なのだ。


その様子を、三人の少女たちがじっとりとした視線で見つめていた。


「……おい。あいつ、やる気満々だぞ」


クロエがタオルで体を洗いながら小声で呟く。


「『イチコロ』って言ったにゃ。お兄ちゃんを食べる気だにゃ」


ララが警戒心剥き出しでアリアを睨む。


「……ユ、ユートさんが……アリアさんに……篭絡されちゃいます……ぴょん」


ミミが不安そうに自身の豊かな胸元を隠す。


クロエは泡だらけの手でバシッと自分の膝を叩いた。


「いいか、二人とも。このままじゃあの暴走エルフの独壇場だ。指をくわえて見てる場合じゃないぞ」 「どうするんだにゃ、クロエ」

「決まってるだろ!攻めるんだよ!」


クロエの瞳に狩人の光が宿る。


「ユートは鈍感だけど押しには弱い。それに……男ってのは、結局のところこういうシチュエーションに弱いはずだ!」


「シチュエーション……?」


ミミが首を傾げる。


「そう!風呂だ!無防備な肌と肌の触れ合い!湯気のマジック!これを使わない手はない!」


クロエは自信満々に力説した。


「ボクたちが先に、ユートの意識を奪うんだ!あのエルフに隙を与えるな!」


「おおー!ララ、やるにゃ!お兄ちゃんにララの魅力をアピールするにゃ!」


ララが濡れた虎耳をピンと立てる。


「わ、わたくしも……がんばります、ぴょん!ユートさんに……その、意識してもらいたいです……!」


ミミも頬を染めながら決意を固める。


「よし!作戦名は『ユート争奪・湯けむり包囲網』だ!行くぞ!」

「「おー!」」


三人は互いに頷き合うと、急ピッチで体を洗い流し湯着を身につけた。

そして、不敵な笑みを浮かべるアリアと共に決戦の地――岩風呂へと向かったのだ。


***


そして、現在。

岩風呂の中央、ユートの周囲はまさにカオスと化していた。


「ま、待て待て待て!落ち着け!湯船で暴れるな!」


ユートの悲痛な叫びは乙女たちの熱気に完全にかき消されていた。


「落ち着いてなんかいられないにゃ!早い者勝ちなんだにゃ!」


ララがお湯をバシャバシャと跳ね上げながら、ユートの左腕にしがみつく。


「お兄ちゃん!腕を洗うにゃ!ララの肉球マッサージ付きだにゃ!」

「い、いや、洗うって、もう体は洗ってきただろ!?」

「仕上げだにゃ!仕上げ!」


ララの柔らかい胸と引き締まった太ももが、湯着越しにユートの腕に密着する。


「ずるいぞララ!ボクが先だ!」


クロエがユートの背後に回り込む。


「ユート、背中流す!じっとしてろ!」

「だ、だから洗ったって!」

「洗い残しがあるかもしれないだろ!ほら、大人しくしろって!」


クロエの華奢な手がユートの広い背中を這う。

その感触にユートの背筋がゾクリと震える。


「あ、あのっ!ユートさん!」


ミミが、正面から詰め寄る。


「か、髪を!髪を洗うの手伝いますぴょん!」

「ミミまで!?」

「わ、わたくし、マッサージ得意なんです!頭皮を、こう、優しく……!」


ミミの大きな胸がお湯の水圧でさらに強調され、目の前に迫ってくる。


そして、アリア。


彼女はこの混乱の中でも優雅さを崩さない。


「うふふ……。皆様、積極的ですわね。ではわたくしは……」


彼女は妖艶な笑みを浮かべ、水面下でそっとユートの足の間に手を入れた。


「騎士様の、一番大切な『前』を……♡」


「やめろおおおおおおお!」


ユートは反射的にのけぞった。


「(いや、温泉ってこういうのじゃないだろ!もっとこう、静かに景色を楽しむもんだろ!なんで四方向から攻められてるんだ俺は!)」


スローライフなど夢のまた夢。

ここは戦場だ。

ピンク色の砲弾が飛び交う、理性の最前線だ。


そして、その均衡が崩れるのは一瞬だった。


「そこだ!隙あり!」


クロエがアリアを牽制しようと身を乗り出した、その時だ。


「あっ!」


つるっ。


洞窟特有の、湿った岩場の苔にクロエの足が滑った。


「わっ、きゃああああ!?」


体勢を崩したクロエは、そのまま重力に従いユートの背中へとなだれ込む。

だが勢いがつきすぎていた。

彼女はユートの肩を飛び越え、正面からユートの顔面に向かってダイブした。


「わぷっ!?」

「ちょ、クロエ!?」


ドボオオオオオン!


「ぶはっ!」


クロエの顔がユートの胸板に埋まり、二人はお湯の中に沈みかけた。


「げほっ!い、痛ってぇ……!」

「だ、大丈夫か!?」


ユートが慌ててクロエを支える。

その手は、必然的にクロエの腰と太もものあたりをガッチリと掴んでいた。


「ひゃうっ!?」


クロエの顔が真っ赤になる。

至近距離。

ユートの逞しい胸板と男の匂い。


「(ち、近……っ!)」


「お兄ちゃん!何してるにゃ!?」


それを見たララが対抗心を燃え上がらせた。


「ララも!ララも抱っこだにゃ!」

「え、待てララ、来るな!」

「肩もみだにゃああああ!」


ララはユートの背後から勢いよく飛びついた。

だが、水中での体重移動は難しい。


「にゃっ!?」


ララの重みでユートの重心が後ろに傾く。


「うおっ!?」


ザブウウウウウン!


今度はユートとララがまとめて後ろに倒れ込み、湯の中に沈んだ。


「ぶくぶくぶく……!」

「お、お兄ちゃん!」


ユートは溺れかけたララを反射的に抱きかかえる。

その腕の中に、ララの柔らかく弾力のある体がすっぽりと収まる。


「ふにゃあ……お兄ちゃん、あったかい……」


ララは状況も忘れて、ユートの首筋にスリスリと頬を寄せた。


「た、大変です!ユートさんたちが!」


ミミがパニック状態で立ち上がった。


「助けないと!」


彼女は慌てて手を伸ばそうとしたが、その拍子に肩にかけていたタオルがスルリと滑り落ちた。


「あ」


はらり。


純白のタオルが水面に落ちる。

そして、隠されていたミミの豊満な果実が薄い湯着一枚越しに露わになった。

お湯に濡れた布地は肌に完全に張り付き、その形も、色も、先端の突起さえも透けて見えそうなほど鮮明に浮き上がらせている。


「きゃあああああっ!?」


ミミは自分の姿に気づき悲鳴を上げた。


「み、み、見ないでくださいぴょん!見ないでええええ!」


彼女は真っ赤になってしゃがみ込むが、その拍子に大きなお尻がユートの目の前で揺れる。


「(目のやり場が!どこを見てもアウトだ!)」 ユートは必死に視線を天井に向けた。


だが、このカオスを冷静に(そして狡猾に)利用する者がいた。

アリアだ。


「まあ!騎士様、大丈夫ですか!?」


アリアは、心配するフリをしながら混乱に乗じてユートの右腕にガシッとしがみついた。


「溺れてしまいますわ!わたくしが支えます!」

「いや、溺れてない!足着くから!」

「いいえ!騎士様はパニックですわ!精神安定のためにわたくしの胸で癒やされてください!」

「どさくさに紛れて何言ってんだお前!」


アリアはユートの腕を自分の胸の谷間に押し当て、ぎゅううっと抱きしめた。

柔らかい。

信じられないほど柔らかい感触がユートの二の腕を包み込む。


「(……っ!)」


ユートの理性の防波堤が決壊寸前だ。


「「「ぎゃーっ!!」」」


「お、お前、どこ触ってる!」


クロエがユートにしがみつくアリアを引き剥がそうとする。


「お兄ちゃんから離れるにゃ!そこはララの場所だにゃ!」


ララがアリアに噛みつかんばかりの勢いで威嚇する。


「み、見ないでって言ってるですぴょん!ああん、タオルが!」


ミミがお湯の中でタオルを探してバタバタともがく。


「騎士様、みなさんお元気ですわね!うふふ!」


アリアだけが勝利の笑みを浮かべている。


温泉地は一瞬にして阿鼻叫喚の戦場と化した。

バシャバシャとお湯が飛び交い、悲鳴と怒号と甘い吐息が交錯する。


「もう、いい加減にしろおおおおおお!」



ユートの絶叫が洞窟に木霊した。


だが。

密着してしまったヒロインたちは、顔を真っ赤にして騒ぎながらも離れようとはしなかった。

ユートの逞しい腕の感触。

濡れた肌から伝わる体温。

守ってくれた時の力強さ。

それらに触れ、彼女たちの心臓は早鐘のように高鳴っていた。


「(……ユートの体、硬いな……)」

「(……お兄ちゃん、いい匂いだにゃ……)」

「(……はうぅ、恥ずかしいけど……嬉しいです……)」

「(……やはり、騎士様こそがわたくしの運命……!)」


内心ではドキドキが止まらず、全員が満更でもない様子でそのカオスな混浴を楽しんでいたのだった。


(……これ、いつ終わるんだ?)


ユートだけが天を仰ぎ遠い目をしていた。

彼のスローライフへの道のりは、まだまだ遠く険しい。

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