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4度目の転生勇者は静かに暮らしたい ~もう魔王討伐は新入り(勇者)に任せたので、俺は美少女たちと諸国漫遊グルメ旅に出ます~  作者: のびろう。
第四章 束の間の平穏と、忍び寄る混沌

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旅立ちの朝は、ダンジョンから

「な……な、なんだよこれ…!」

「お、お空が、ない、ですウサ…!」

「にゃあああ!閉じ込められたにゃ!」


宿屋『旅人の羽』の一室。

窓の外に広がる、絶望的な『紫色の岩盤』。

三人の少女たちは、自分たちの(ピカピカの)戦闘装備に身を包んだまま、完全にパニックに陥っていた。


(……はぁ。うるさい)


俺は、4周目にして本気で頭を抱えたい気分(主に俺のうっかりのせい)だったが、目の前の『ひよこ』たちがあまりにも騒がしい。


俺はそんな三人の背後で、わざと大きく息を吐いた。


「――全員、静かに」


「「「!」」」


俺の、いつもと変わらない、むしろ、いつもより少し『面倒くさそう』な落ち着き払った声。

それが、パニックに陥っていた三人の耳に異様なほどクリアに響いた。


「ゆ、ユート!?」


クロエが、弾かれたように俺を振り返る。


「『静かに』じゃねえよ!これ、どうなってんだ!街が!」


「お、お兄ちゃん!怖い!怖いよ、にゃ!」


ララが、今にも泣き出しそうな顔で俺に駆け寄ろうとする。


「わ、わたくしたち、出られない、ですウサ…!?」


ミミも、せっかく新調した『世界樹の杖』を恐怖でガチガチと震わせている。


俺は、そんな三人(特に、俺に抱きつこうとしてきたララ)を片手で(優しく)制止する。


「慌てふためくな。みっともない」


「「「うぐっ…!」」」


「いいか。パニックになるのは三流のやることだ。お前たちはこの一ヶ月、俺に何を学んだ?」


俺が、ジロリと(師匠(仮)の顔で)睨むと、三人は「(あ、いつもの『訓練しごき』の顔だ…)」と恐怖(?)で背筋を伸ばした。


(よし。話は聞く体制になったな)


俺は、このダンジョンとあのボス(四天王)を分析し終えた脳みそで冷静に告げる。


「まず、全員装備は?」


「は、はい!(ユートに叩き起こされて)装備は、完璧だぜ!」


クロエが、胸(の『闇夜の革鎧』)を叩く。

ララとミミも、コクコクと激しく頷いた。


「よし」


俺は床に散らばったままの『荷物(主に鍋と肉)』を一瞥する。


「残念だが、諸国漫遊は一時中断だ」


俺は、この絶望的な状況で、あえてニヤリと笑ってみせた。


「「「(ひっ…!)」」」


三人が(俺の笑顔に)息を呑む。


((((な、なんでこいつ、笑ってやがる(にゃ・ウサ)!?))))


俺は、そんな三人の心の叫び(ツッコミ)を完璧に(スルーして)受け止める。


「いい機会だ」


「「「え?」」」


「お前たちの『実戦訓練』、総仕上げといこうか」


「……は?」


クロエが、宇宙を背負ったような間抜けな顔で、俺の言葉を反芻している。


「そ、総仕上げって…ユート!それ、本物の魔術ダンジョンだぞ!?街が、ヤバいことになってんだぞ!?」


「ああ、知ってる」


俺はあっさりと頷く。


「『知ってる』じゃねえよ!閉じ込められたんだぞ、俺たち!」

「ああ、閉じ込められたな」

「「「(((こいつ、全然堪えてねえ!!!)))"」」」


(はぁ…。まあ、こいつらに『これ、2周目でやったダンジョンのコピペだ』『最下層のボスの(陰湿な)思考パターンは、完全に読み切ってる』って言っても伝わらんな)


俺は、彼女たちが(ギリギリ)理解できる、説明ハッタリに切り替える。


「いいか。これは、俺がお前たちのために用意した(大嘘)、最高の『卒業試験』だ」


「「「((((嘘だ(にゃ・ウサ)!?))))"」」」


ララとミミの兎耳と虎耳が、ありえない角度にピーン!と反り返った。


「(俺の【索敵】が、このダンジョンの『出口』と、そこにいる『ボス』の存在を、完璧に捉えてる)」


俺は本当のこと(索敵)と嘘(余裕)を巧みに混ぜる。


「というわけで、目標は二つ」


俺は、人差し指をピッと立てる。


「第一。最下層にいる『ボス(たぶん四天王クラス)』の討伐」


「(((し、四天王!?)))」


三人の顔が、再び青ざめた。


「第二」


俺は二本目の指を立てる。


「そして、ダンジョンからの『脱出』だ」


「ちょ、ちょ、待て!ボスって、四天王クラスって、お前、なんで分かるんだよ!」


クロエが必死に、俺の(余裕すぎる)理屈に食い下がろうとする。


「【索敵】でな(大嘘)。この、ダンジョン全体に満ちてる『魔力の質』が、そう言ってる」


俺は、それっぽい(大賢者っぽい)ことを適当に言い放つ。


(本当は『前の回』の記憶だが。コネットさんに『ゴブリン調査に行ってくる』って言って、森で『闇蛇の牙』と戦った時と、全く同じ匂いがする)


俺は、俺の(超絶チートな)説明に、三人が(半分、納得し、半分、呆れて)固まっているのを確認する。

そして、最後に一番大事なことを付け加えた。


俺は、一番震えているミミの兎耳を真っ直ぐに見つめる。


「ただし」


「(ひっ…!)」


「絶対に無理はしないこと。俺の指示に、完璧に従うこと」


俺は、三人の顔を見渡す。


「いいな?」


「……お、おう!(お前が、そこまで言うなら!)」

「お兄ちゃんが言うなら、ララ、やるにゃ!」

「は、はいぃぃぃっ!」


(よし。チョロい)


俺は、完璧に三人の士気(という名の、俺への『依存度』)を立て直すことに成功した。


「じゃ、決まりだ。荷物なべは俺のインベントリに『戻す』。……クロエ、お前が先陣だ。ドアを開けろ。宿屋の外がどうなってるか確認するぞ」


俺の、スローライフ(強制終了)ダンジョン攻略RTA(?)が、今始まった。

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