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プロローグ
なぜ?
どうして?
そんな言葉が頭を過ぎる。
いつも、いつも。
繰り返される問い。
なぜ、あなたは死んでしまったのだろう。
なぜ、未来を見ようとしなかったのだろう。
あなたが大切だったのに。
あなたのことをこんなに思っているのに。
そんな人間がいることを。
どうして、あなたは忘れてしまったのだろう。
どうして、気づかなかったのだろう。
例え、離れ離れでも。
あなたが生きている。
それだけで、よかったのに……。
そう思う人間が、ここにいるのに。