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#2 クレーンゲーム代行

「あの子は…椿月か?クレーンゲームとすごい睨めっこしてるな」


制服姿で一際目立つ存在の月はお目当てのぬいぐるみを取るために何度も100円玉を入れては失敗しての繰り返しをしてる所を遠目で見つめている。


数分たっても変わらない真剣な眼差しを見せてる。

かれこれ10クレジットはつぎ込んだだろうか。



ひかるは決して学園のアイドルに近づくチャンスだと思った訳ではなく、自分にとってクレーンゲームは得意分野だから話したことない相手とは言えこれだけ失敗しているのは見ていられなくなったのだろう。


いきなり喋りかけるのもなぁ…とは思いつつひかるは月に近づき斜め後ろから声をかける。


「えっと椿さんだよな?」

「え、あ…はい?えっと」


突然の出来事に月は当然びくっと反応し、振り返る。同じ制服だった為同じ学校の人とはすぐ認識しただろうが戸惑ってる様子だ。


「あー同じ学校の天音って言うんだけどぬいぐるみ取るの苦戦してるみたいだね。ちょっと俺にやらせてくれる?」

「あ、はい…」


突然のそんなこと言われなりつつも言われるがままにひかるに譲る。


2.3クレあればいけるなと呟きながらまずは1.2回目でしっかりと寄せて見事に3クレ目で景品をゲットしてみせた


それを後ろで見てた月は、え?マジで?と言わんばかりの驚いた顔をしていた。

対してひかるは特にドヤ顔もすることなくこれくらいは朝飯前と言った顔でクールに振る舞っていた。


「すごいねそんな簡単に取れるもんなんだね」

「まあ得意分野なんでね。はいどうぞ」

「あ…え?」


景品獲得おめでとー!の音が鳴り響く中、景品口から景品を手に取り月へと渡す。

まだ少し困惑した表情を浮かべながらもひかるの目をじっと見てありがとうと少し籠った声でお礼を言う。


「何で私にくれたの?」

「取ろうと必死に頑張ってたじゃん?」


不思議そうに質問する月に逆にひかるも不思議そうに答えれば、月はちょっぴり顔が赤くなっていた。


「え、まってどこから見てたの?」

「10分くらい前から」

「まって…恥ずかしいんだけど…」


渡されたぬいぐるみを手にしつつそのまましゃがみ込んでしまった月にひかるはどう声かけたらいいか分からないまま、俺帰るわと声をかけたら月は勢いよく立ち上がった。


「まって!同じマンションでしょ?ちょっと喋らない?」


突然のお誘いに思考が追いつかないひかるは、とりあえず、い、いいけど…と緩い返事しか出来なかった。


同じマンションに住んでることは認知してたから誘ってみたとか?

それともただの気まぐれ?

頭の中でいろいろ思いつつも二人はゲーセンを後にしショッピングモールの出口を目指していた。


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