表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/7

本部

超久しぶりの投稿

他の小説に時間を取られて、まったく手がつけられていませんでした。

「なにこれ?廃墟?」

「側だけ見ればね。」


そう言って、姫桜は廃墟の中に入っていった。

置いていかれないように、私も走ってついて行く。

ちなみに、傷は姫桜が神通力で治してくれた。

神通力って便利。


「やっぱり廃墟じゃん。」


中に入ってみたけど、ザ・廃墟という感じで、散らかっていた。

しかし、不思議と埃っぽくはなかった。

きっと、姫桜達が出入りしているからだろうね。

辺りを見回していると、姫桜が階段の横の部屋に入って行くのが見えた。


「なにこれ?」


ついて行ってみると、南京錠がかけられた鉄格子の扉があった。

姫桜は、南京錠に触れてなにかする。

すると、南京錠が外れていないのに、扉が開いた。


「入って」


姫桜は、顔だけこちらに振り返ると、扉の奥へ行った。

夜の廃墟というだけあって、雰囲気が凄い。


「もしかして…怖いの?」

「は、はあ?べ、別に怖くねーし!!」

「典型的な反応ありがとう。」

「だから、怖くねーっての!!」


私は、キャンキャン喚くが、姫桜は全て無視している。

そのうち、恥ずかしくなってきて、顔真っ赤にしながら静かになった。


「妖怪の末裔なのに、幽霊が怖いの?」

「だから、怖くねーっての!!」

「ふふっ、反応が面白いわね。この先の個性的な奴が多すぎて大変だろうけど、自分らしさを忘れないでね?」

「お、おう…」


何故か心配された。

そんなにやばい奴が沢山いるんだろうか?

それに、相手は半妖の怪物達。

人間と大差ない力しか持ってない私が、果たして生き残れるのか…

いざという時は、姫桜を頼れるようにしないとやばいかも…


「何この扉…凄い厳重そうだけど…」

「この扉は、私でも破壊に苦労するほど堅い扉だよ。この先に、本部がある。」

「怪異部門の本部…」


私が息を呑んでいると、姫桜が扉に触れる。

すると、『ギギギ』という、金属が軋むような音を立てて、扉が開く。

その先には、螺旋階段があった。


「階段を降りたら、そこは本部になってる。一段一段降りるか、私に抱えられて一気に降りるか…どっちがいい?」

「一段一段降りるに決まってるだろ。お前に抱えられて降りるなんて恥ずかしすぎるっての。」


私は、階段に向かって歩き出した。

すると、姫桜から声がかかる。


「ちなみに、十五階建てのビルと同じ縦幅があるから、降りるのだけでも一苦労だよ?」


私は、足を止めて姫桜の所に戻る。

そして、姫桜の胸ぐらを掴み、睨みつけながら、


「そういう事は、先に行ってくれないかな?」

「あっそ。それで、まだ歩いて降りるつもりなの?」

「チッ!私を下に降ろしてください。」

「はいはい、よく出来ました。」


うっぜ〜!!

この、私のことを舐めきってる態度、くっそ腹立つ。

まあ、私より圧倒的に強いからどうしょうもないんだけどさ…


「なあ…お姫様抱っこにする必要あったか?」

「この方が安全なのよ。我慢して。」


そう言って、姫桜は階段を飛び降りた。

結構な速度で落ちていくから、割と怖かったりする。


「これが怖いの?」

「別に怖くねーし!」

「はいはい」


また、姫桜におちょくられた。

にしても、どうしてちょうどいいタイミングで、私の思ったことの答えを言ってくれるんだ?

…あっ!


「気付いた?」

「…盗聴女」

「酷い言い方ね。」


こいつは、神通力で人の思考が読める。

つまり、さっきまでの私の考えてた事は、全て姫桜に筒抜けだったのだ。

…ってことは、さっきの姫桜への愚痴も…


「もちろん聞こえてるよ?」

「…すんませんした。」

「腹パン十発で許してあげる。」

「私を殺す気か?」

「冗談だよ。でも、余計なことしたらまじでそれくらいはするからね?」


姫桜は結構優しいけど、平気で人を傷付けられるタイプの奴だから、怒らせるとやばいのかも…

そんな事を考えていると、下についた。


「着いたよ。そこの扉を開けば、そこは怪異部門の本部だよ。」

「急に、メカメカしい扉になったね…」


その扉は、よくアニメとかで出てくる自動ドアだった。

実際にこんな扉あるんだね…

すると、姫桜は何やらカードを取り出して、扉のスキャナーらしき場所に当てる。


「入って」


そう言って、私を先に入らせようとしてくる。

こんな未知の領域に先に入れと?

それは、新人には荷が重いと思うんだけどな〜


「行け」

「はい」


私は、姫桜に急かされて(威圧たっぷり)中に入る。

中は、これまたアニメの秘密組織の基地っぽいものだった。

そして、先に入れと言ったはずなのに、すぐに私の前を歩く姫桜に不満を覚えながら、基地っぽい通路を歩いた。


「この通路いる?」

「さあ?私は要らないと思うけどね。」


謎組織あるある、無駄に長い通路。

正直、絶対こんな長い通路要らない。

あれかな?侵入者を足止めするための装置があるとか。

あとは、生体認証システムとかで、侵入者かどうかスキャンするみたいな…突破されてるイメージしかないけど。


「また扉?」

「これが最後の扉だよ。」


姫桜は、再びカードを当てて、扉を開ける。

そして、今度は先に入って、私を手招きする。

そこには、


「すげ~!!」


そこには、地下に何層も続く巨大な施設があった。


「ようこそ、皇室諜報局怪異部門へ。」


定番の台詞を言い放った姫桜は、私を見てニヤリと笑っていた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ