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第1章3節 新たなエリアに向かう
「おう・・時間の猶予をやるよ、ケンゾウ・・俺達もお前の実力は認める。だって二人掛かりで数時間も手こずったんだもんなあ。お前は強いよ、このCゾーンで戦えるのなら、A.Bゾーンだってオールセーフさ」
「む・・むむむ。確かに、とめどもない戦いの日々だった。ここは、Cゾーンって言うのか?ここでの怪物達との戦いの中で、尾の付け根を切れば、敵が退くと言う事を学んだ」
ばしゅっつ!
その時ケンゾウが言うと同時に、アカネはソードでケンゾウの尾を切ったのだった。それもその言葉と同時、一瞬の事だった。
「ぎゃ・・」
「お・・おい・・アカネがケンゾウの尾を切っちまったぜ・・」
シンタ達の眼が点になる・・そのケンゾウは、短い叫び声を発した。尾を切ると言うのは、他の地区の怪物でやった攻撃力そのものを削ぐ有効な手段だった。しかも尾を切られた怪物は、形態すら変化させ、他の怪物に食われたり、無限増殖する事も無くなったのであった。
シンタが、リンドウに聞く。
「おい、犬って尾が必要なんじゃねえの?」
「シンタ、お前・・犬ってよお・・だから、こいつはケンゾウだっちゅうの」




