第1章3節 新たなエリアに向かう
「そんな事なんて分かるもんか。とにかく、俺の眼の前は全て敵だ。食う対象さ」
「あーーあ・・少なくても俺と一緒の頃は、人型のケンゾウは怪力で、言葉は発せずとも、もうちいっと見境い位はあったと思うが、そうか、犬の野生つうのが、お前を支配していたんだな。食っちまったもんはもう仕方がねえよ、ならお前は死ぬ前に自分の相棒だった、カイと言うわん子と一つになった訳だ。良いか、俺達も向かって来るものには容赦はしねえ、だがな、尻尾を振るわん子には柔軟だぜ」
今度はシンタの眼が点・・
「おいおい、リンドウよ、もう少し言葉を選べ・・な?尊厳って言葉があるだろ?アカネもそうだが、古いシンじいちゃんのペットの話なんぞ引き合いに出してんじゃねえよ。ケンゾウ、お前は強い。それは認める。だからな、言語を喋れる同士、ここは共闘しねえか?だってそうだろ?単独で怪物と戦うよりタッグを組んだ方が有利だろ?それが、シン!って言葉を強く念じろ!お前の何かを語りかけてくれる、俺はそう今思った。待ってやるよ。じゃなきゃ、アカネのソードの丸焦げは逃れられねえぞ。今のお前のスピードでも逃げるのは不可能だ。分かるだろ?お前は、進むのも後退するのも既に無理だと分かっているだろうが?だってお前の脳内は、アカネに支配されちまっているんだよ、もはやな」
アカネが・・
「お兄い・・今ママッチから伝達があった。お兄いの言う通りにしろって」




