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第1章3節 新たなエリアに向かう
「な!何?お兄い!」
「おっ!こいつの方が美味そうだな!」
ケンゾウはアカネに飛び掛かったのである。
「ああっ!アカネ!」
「あん?なにこいつ・・えい!」
シンタが叫ぶが、何とアカネは片手でそのケンゾウの頭を押さえたのである。
「ぐ・・ぐぐぐ、お前っ!」
「何でこの怪物があたい達の言葉を発しているのか知らないけどさ、美味そうじゃないじゃん。お兄い、こんなの不味そうっ!えいっつ!蹴ってやるし!」
どかん!アカネは、軽々とその自分たちが散々手こずっていたケンゾウを蹴っ飛ばしたのである。
どすーーーん・・100メートルは蹴り飛ばされただろうか・・
「あ・・アカネっち・・すごっ」
リンドウの眼が点になったのであった。
しかし、また猛然とケンゾウは向かって来た。
「あら、凝り無いんだね?また向かってくるし・・頭悪そうじゃん、学習能力が無いって言う事なん?」
アカネはサーベルを持った。丸焦げにしようと言う訳だ。
途端、ぴたっとケンゾウは急ブレーキ・・距離をそのまま保ったままで流石に用心しているようだ。




