第1章3節 新たなエリアに向かう
「なかなか・・孫達は興味深いね。私に聞かせるように言ったかと思えば、今度は兄妹間の伝達手段かね。良いよ、君からアカネにどんな情報を与えようと、全くそれを阻害するつもりは無い」
「少しはそれを聞いて安心したわ。では一つ・・いえ、二つだけ質問をする。何故地球をこんなエリアに分けたの?」
「ふふ・・いかに科学が発達しようともこの広大な地球に、意図を持って人為的に手を加えられる程私は全知万能では無い、不可能だ。君に太古の地球の在り方や、その歴史を教えて来た筈だが、この近代になって、もはや地球は断末魔の状況に陥った。それが相次ぐ地震とは地軸の転換と共に、もはや地球内部のマントルは、自転が遅くなっていると言う事だ。よって、地球内部のマントルは冷え固まりつつある状態に今はあると言う事だ。この先地球が自転をしなくなれば、降り注ぐ放射線を浴びて、全生命体は滅びる。これから後数千年、1億年も恐らく持たないだろう。つまりは分けたのでは無く、これは地球断末魔期による地質変動。冷え固まった地殻による偶然の産物なのだ」
「なる程・・唯一父である貴方は私には嘘を言っていないと思えば、それは理解した。じゃあ、もう一つ、貴方が再生したこのリンドウ他、もう一名名前が出て来たけど、言語を発しない。つまり、貴方の再生体創出は完璧じゃ無いって事ね?」
「認めよう、だからこそ、ここでは実験・検証が必要な訳だよ、それが最優先される。この先、地球が滅びる前にね。どの道太陽が無くなれば地球も消滅するが、他の惑星よりまだこの地球の方が僅かでも可能性を持っている」
「聞けば・・貴方そのものが神の存在のような発言ね・・そこも理解した」
再び、ワカナは会話を切った。
そして、ため息をつくのだった。




