第1章3節 新たなエリアに向かう
「俺が、お前達兄妹には現時点ではとても敵わないとは思うさ、お前達にはある種の特殊能力があるんだろうな、やっぱりさ。それに語彙の件だが、俺は、はっきりとリンと言うお前のじいさんと生きていた年代の再生体だと告げられている。言語を持たないだろうケンゾウと、もう一人には恐らく理解も出来ていないだろう」
「良く・・分からないが、そのワクイって奴は、あらゆる動物、植物を遺伝子操作や、改良を行っていた天才博士だそうだ。不老不死が究極の研究だとシンじいちゃんから聞いていたから、お前は実験体なんだろうな、言葉は悪いけど。その語彙っつうものは、既に再生される時に記憶の中から引き出されたんだろう・・そう言う事を今喋るのは、ママリンがアカネを通じて・・あ・・いや、これも言って無いや、気を悪くするなよ、俺とアカネだけに通じる言葉に代わる合図がある。それは、暗闇の中で互いに通じ合えるものとして、俺達だけに分かるものだ」
「色々・・後出しで出て来るよなあ・・ふ・でも、俺の中の遠い記憶が全ては未知の世界から始まったと言っている。恐らくこう言う事だろう」
「リンドウ・・身構えておけ・・やっぱり近づいて来ているようだ」
シンタが会話を切った。うつらうつらとしながらもアカネは、シンタの合図を聞いていた。しかし、睡魔には勝てなかったようだ。その後深い眠りに入った。こうなると、ワカナからシンタに伝える手段が無くなった。
また、ワクイから声が聞こえた。




