第1章3節 新たなエリアに向かう
「ああ・・そう言う事なら地下生活から説明しなきゃならねえな、うん。お前の言う地下生活とは、俺もその理由はちらっとしか聞いた事が無いんだ。だから、それ以上の事は言いようもない。良いか?」
「おう・・」
「つまりさ、地下湖と言うのがあって、そこはとても美味しい水だし、俺達の遊び場でもあった訳だ。そして、その湖には天井から光が射す。地下と言っても真っ暗闇では無い訳だ。だが、そこに至る洞窟つうか、通路は真っ暗闇なんだよ」
「じゃあ、お前は夜目が利くんだな?」
「いや・・ちょっと違う。確かに目を開けていても瞑っていても一緒なんだけどさ」
「じゃあ、瞑る意味がねえじゃん・・」
リンドウが呆れる。
「ぷ・・突っ込むなって。俺は鼻が利くって言っているだろ?」
「あ・・そうか。その嗅覚で・・」
「そう言う事になるのかな、でも、アカネが居れば全然大丈夫」
「こっちは聴覚かよ・・ふうん」
「それもあるけどさ、アカネの眼は光るんだよ。暗闇で」
「え!見た事がねえぞ」
「当たり前、夜は眠っている。お前も、俺も、アカネもだ」
「ふうん・・何となく分かった。じゃ、その水がどうしたよ?」
「せっかちだな、お前」
「あのな、主語、述語って言葉を知っているか?」
「知らねえわ。お前こそ何でそんな事を知っているんだよ!」
シンタは話を逸らせているのが、リンドウだと思っている。




