第1章3節 新たなエリアに向かう
シンタが言うと、リンドウは、
「どこにそんな会話をする余裕があったよ?息きつく暇もないこの状況でよう?」
「あは・・それはそうだね、リンド」
アカネは笑う。
確かに、そうだった。シンタが頷くと、リンドウは言う。
「間違いねえわ。そのケンゾウが喋れ無い者の一人でよう、その犬を連れていた。でも、その犬は俺を襲って来たからさ、人間型の友なんかじゃねえわ」
「ふうん・・でも、そのケンゾウには従順だと言うんだな?犬と言うこの画像で見る生命体はよ」
シンタが言うと、
「ああ・・しかし、色んな種類と言うか・・かなり形態の違うやつが多いんだなあ・・あ!ストップ・・これにそっくりだわ、その犬」
リンドウが指さしたのは、少し犬型生命体としては大型部類になるシェパードに似たものだった。
「シェパードつう、犬種かあ・・ふうん。でもさ、これってシンじいちゃんから聞いた話では、とっくの昔に絶滅したらしい。シンじいちゃんと一緒に過ごしたケンと言う仲間が連れていたと聞いていたぜ、今思い出したが」
「え・・お前こそ、そう言う情報があるなら先に言えや」
リンドウの眼がくるくるとした。




