第1章2節 自分達と同族か?
ワカナは、自分を動けなくしたワクイがその事を言わず、話を切り替えた事も理解していた。もう何度も問答したであろうワクイとの会話に辟易していた。それより、存命であった義父であるシンの方がより具体的であり、真摯に耳目を傾けられる言葉が多かった。何より、現地球上の状態を一番憂えていた者だと思ったからだ。その息子シンゾウは、寡黙であり、強靭な精神力を持つ事は分かっているものの、彼の持つ能力全容はワカナも分からない。彼が、全てをオープンにする性格では無かったからだ。しかし、絶対に自分を裏切る事は無いと確信出来ていた。だからこそ二人の子を得る事が出来たのだ。またその地下暮らしが永遠に続くとは思っていなかった。シンゾウは時々地上に出て、子供達の食糧を確保してくるし、シンタを時折地上に連れ出して居る事も知っていた。彼女がその事に対し口出しをした事もない。いきなり両親の姿が消えた事で子供達が不安になり、まだまだ親の庇護が必要だと思っていた年齢において、現状況はどうにも出来ない自分が腹立たしかった。せめてシンゾウが居れば、少なくても色んな知識を与えながら、子供達を導いてくれるのにと思うのだった。




