新章 宇宙特進路と、改造宇宙船 終局に向けて
「先ほどの我々の議論にご意見がある訳ですね?それは」
「ふ・・個人的な疑問だよ」
「では・・僕が思う宇宙は球体だと思うんです。ただし、真丸ではなく。個人的見解です」
雄太が続けて、
「いや、俺はそうは思っていない。宇宙には極限があって然るべきだし、許容量が超えれば、次の次元に流れる。その姿は、形では無いと思う。光速で遠ざかる宇宙と中にはそれより遅く遠ざかる星もある事から、複数のそれを阻害する何かが存在しているんだと思う。しかし、ダークマター等は無いと思っている」
サネアツは、こう言った。
「現時点で誰も到達していない宇宙論の中で、何故宇宙特進路が存在しているのかと言う事に尽きると思う。まだ俺達はその謎に解明まで至っていない。その姿は、不可変では無いとは思うが、次第に消滅まで行くのでは?と」
「ほう・・宇宙にも生死があると言う事だな?」
山本元帥の眼が光った。他の者は発言しなかった。分からないからだ。誰も・・
「物質である限り、例えば今の自分達が1万年、1億年生きていけたとしても現状のように太陽の寿命は後1億年も経てば、地球と言う惑星で生体が棲息出来る環境は恐らく皆無となるでしょう。高温の世界で生き延びられる事などありませんしね。だからこそ、今自分達が入手した地球より進んだ科学力を学び、異星に移住するしか無いんだと言う方向性で今動いております。ただ、太陽系内惑星基地があったように、そこへ移住する方法はあります。もう2億年位は行けるかもですが」
「ふふふ・・サネアツ君の話が一番私と共感出来た。では、宇宙で一番遠い場所とはどこだろうね?130億光年先かね?360度方位に見える一番先の恒星が語ると思うのかね?ビッグバンの時から数えて」
優がにこにことしながら言った。




