新章 宇宙特進路と、改造宇宙船
その話が、やがて優達トップ7達にも今自分達が存在している事にも繋がって行くのだ。途方もない時間、また取り留めのない会話を重ねながら、彼らは実在したデータの積み重ねの上に居る。そのデータ集積・解析の中で色んな議論を戦わせながら、眼前の敵と戦い、その試練の中で生き抜いて来た。そして確実に今度こそ宇宙との未知の遭遇に対してあれこれと想像もするが、一歩間違えれば二度と地球と言う星にも戻れないのだ。それを議論する事は当然なのであった。
山本元老は、沢木 純氏の前世だと言うものの、ここでは単体に居て、その沢木 純とは違う個性で存在感を示している。何故か、シン達の中ではずっと支柱であり続けているのであった。そして、見守ってくれていると言う安心感がこの会話の中でも彼らにはあった。
ここでは一言だけ、こう言った。
「少し良いかね?私もずっと生前に思っていた疑問があるのだが」
「ええ、勿論ですとも、元帥と言うお立場でご自由に参加して下さい」
優が言うと、
「まあ・・理論的な話じゃないんだがね、結局の所、地球の歴史、二星の歴史や科学力を持って不可能にも思えた宇宙航路が開拓されようとしている。ただし、その地球では、もっと昔には物も揃い、人材も豊富であり今よりも高度な科学力を有していた。とっくにその時の科学力であれば太陽系の星々には進出していたものの、それ以上の航路を開拓する事は無理であった。その時まで遡って見るものの、その時代のデータが非常に少ないんだよ。それについて、君達はどう思うかな?」
雄太が答えた。
「その時代は確かにデッドデータになっておりますね、大規模な地球変動があって、ほぼ消滅してしまったと言う事はありますが・・」
「に、してもだね、今までの中で我々が培って来たものは、その記憶媒体は残っていると言う事なんだよ。何故消えたのか?」




