新章 宇宙特進路と、改造宇宙船
「サネアツTOP!」
ケンゾウ、アカネも眼を潤ませて握手をしていた。これぞ沢木イズムなのであった。
TOPと言う呼ばれ方は嫌いだともサネアツは言う。しかし、自然的に彼らはそう呼び出したのだ。JUN元老にしても、勿論自分から言い出した事では無い。知らない内にそう言う呼び方になっただけだ。そして、コウタによる最初のビリヤン星人の体に、山本元帥脳が入ったのだった。それはJUN元老が敢えて分化した方が良いだろうと言う判断だ。ただ、全てのビリヤン星人が今後復活再生遺伝子によって誕生して行くのだろうが、その者達と少なくても違う個性が必要だろう。自分と瓜二つの者があちこち中に居たら、それこそ混乱の基だ。そう言う細かい事もクローンとは違うのだからとコウタは今までもそうだったが、再生遺伝子によって誕生させた全ての生体は、旧来の人間体と同様に識別できる違いを演出して来ていたのだ。山本元帥は驚くような美青年の姿になっているが、恥ずかしいよを連発しているのだった。そう言うJUN師は亡くなる前のおじさん姿で良いと、今の地球人の中では一番見た目でも中年の姿であったが、体力等は青年そのものでもあった。尤も・・JUN師は、元々SKIと言う巨大な容量を持つ電脳なのだ。そこの辺りは、前面に出なくても、誰もが分かっている事だし、不動・不変の象徴的存在なのだ。
この行動には、そのJUN元老も驚いたようだ。
「はは・・このわしでさえ見抜けなかった・・透明素子を利用し、尚且つ・・そうか、今回は宇宙船そのものを覆い隠す、忍者型皮膜の実験・実証も兼ねていたか」
元帥元老が傍に居た。
「沢木元老、ふふ・・彼らのトップ連中には、そう呼ばれる事を嫌っているようだが、とんでもない発想と、行動力にも驚かされるね」
「ええ・・それだけ彼らもまたステップアップしているんでしょうね」
孔明元老も近づいた。自身が三国時代の服装が気に入っているようで、そのママのスタイルだった。美青年の姿は、山本元老も同様だが・・。




