新章 宇宙特進路と、改造宇宙船
「居る・確かに。そして、高度な星の科学力を盗むんだよ」
「滅ぼして?」
「ああ・・彼らは恐らくとても許容量が大きな脳を持っているのか、或いはとんでもない演算機能を持った電脳を持っているのかだろう。そして、宇宙の果てまで行こうとしているのだろう。数億、数千億あるかも知れない有生体保有の星を探してな」
「それなら、永遠の命が居るぞ?」
「だから、クローンなんだ。綻びればそこを修復すれば良い。幾らでも着替えを持っているようなものだ。これなら永遠に宇宙に行けるだろう」
「でも、それなら広大な宇宙、出会う事等なんて億に一つ、殆ど無い可能性の方が高いんじゃないのかな」
「まあな、そうだろうとも。俺もそう思うが、そのセンサーって言うのがもしあったなら、確実にその星を見つけ出すだろうな。だから、俺達が予想も出来ない方法でさ」
「成程・・俺達も超科学を手中にしたかのように思っているが、果てしなく上には上が居るってか」
「まさにそうだ。だから、俺達の存在が知れていたのなら、襲って来る可能性もある訳さ。ビリヤン星人は恐らく見て来たんだろう、宇宙の果てと言われる場所まで。そして一部であっても、こう言う異星人が居る事も調査し、データ化した。或いは、自分達が逆に浮遊軍になる為の準備をしていたとも言える」
「論理的だ。サネアツの推理に同調する」
雄太が頷いた。
「ふ・・回りくどい言い方だな。しかし、雄太がやって来た仕掛けは悉く成功した。お前が今後軍師としてシンゾウ軍を率いる事には、大いに賛同する。こちらも全く異論の無い事だ。だが、サネアツ、お前の中の孔明脳はどう言っているんだ?」
優が聞くと、深く溜息を吐きながらサネアツは、
「人生は長くて80年、もっと短かった自身の寿命こそが天命と思い、精いっぱい生きて来た。ところが、この現世はどうだ?生きると言う事は、永遠のテーマを追い続ける事だ。そして果てしない。夜空を眺め、星座の動きを観測し、そして四季の風や嵐を予測し、そして戦略にもそれを利用した。そんなものはもはや通用もしない時を迎えて、はて・・何が自分に出来るのだろうか。一杯学んだ。時代と共に戦略も変わる。しかしながら、平和とは戦いの中でしか得られないものなのか、自問自答しながらここに居る・・と」




