新章 宇宙特進路と、改造宇宙船
度肝を抜かれる展開だった。SKIすら、危うく支配されようとしていたのか・と。しかし、人格者であり、大天才の一人沢木 純を電脳として開拓したのは、孫の三木 優であり、要するに最後のキーは彼が持っていたと言う事になる。ビリヤン電脳が意志を持たないと言う事を演出しながらも、ひたすらやはりその星に誕生した大天才である。自分の野望を遂行する為に電脳になる事を選択したのだ。そして自分に反対する、或いは意にならぬ者は消し去った。だからこそ、両星にはクローンしか残らなかったし、地球を合理的に手中にする為には、怪物共が居なくなった現在をチャンスと見て邪悪なジャーク星人を演出して、あたかも自分の星も侵略されているとしながらも、地球を牛耳ろうとしていたし、SKIの存在を知り、これも最終的には自分の手足として動かすチャンネルを握っていたのだ。SKIさえ動かせれば、今の分断された端末等何時でも取り戻せるからである。しかし、とうとう最後の最後において、このSKIを生み出したその孫であり、大天才の存在を知らなかったと言う事だ。馬脚を現したのは、余りにもこの2星がSKI軍にとって都合の良い展開になった事にある。そんな超高度な科学力を保持する星が、自分より遥かに下である科学力の星に簡単に屈服する訳が無いと言うのが優の見解だった訳だ。見事にこの特別研究室の面々すら気づかずに、優の秘策は成功したのである。
「やはり両トップ・・凄いや・・ここまで思考が行くんだ」
ダナンもジダンも深く益々尊敬の意を深めるのであった。
二転、三転など当たり前。この世は全て戦略が渦巻いているのだから・・。
雄太が、この数か月一心不乱にプログラムの解析を行っていた優とジダンにねぎらいの言葉をかけた。
「良くやったな、いや、やってくれた。君達で無ければ、SKIの洗脳が先かどうかは分からなかったと思う」
優は、
「いや、沢木 純・じいちゃんと約束していたんだ。このSKIを破壊するボタンはお前に預けるとね。そんな事は絶対にしたくなかった。僕はずっと3歳の時に亡くなったじいちゃんに憧れ、幻影を追って来たんだ。今そのじいちゃんと過ごせるこの時を失いたくなかった・・」
「うん・・うん。よく頑張ったな、俺も改めて三木 優を尊敬する」




