新章 宇宙特進路と、改造宇宙船
「既に、ジャーク星、ビリヤン星と言う旧来の科学力では到底出来るとは思えなかった、果てしない宇宙の一部ではありますが、1万光年も先にある所に行きましたが?」
「ふむ・・確かに行けた。そして、旧来の科学力では光のスピードに近づく乗り物は出来ても、それを超える乗り物等は存在しなかったし、考えられもしなかった」
「はい・・そうですね」
「だが、ジャーク星では、光速の3倍強で飛行出来る宇宙船が創られていた」
「確かに・・そして、製造出来るまでになりました」
「その金属組成が地球の物では無理と言う事も分かったよな」
「そうですね、合金と言う手法です」
優と殆どSKIの会話である。他の者は黙って聞いている。
「合金・・つまり質的に超高速で飛行する乗り物とは、その前方に様々な宇宙浮遊物体もあると言う事だ。いちいちこれを避けるのかね?」
「いえ・・その為にはセンサーが必要だし、その航路を最初からプログラミングしておく必要があります」
「いや、それだけでは未知の世界になど到底行けはしないだろう?そこをどう考えている?つまり、恒星エモンは、ジャーク星、ビリアン星の主星であるが、ここから3光年先には、複数の恒星が存在する。例えば、ビロー、ガマナと言う2つの恒星が今の所一番遠いし、近い恒星ではカミル、ヨダと言う2つがある。この中で生命体が存在する惑星が、ビローに一つ、ガマナに一つある。しかし、ここには文明等と言う高度な形態等は無い。植物、或いは原始的な微生物のみだ。君達はせいぜい、この3光年先の航法を宇宙船で探索するしか出来ないんだよ、今の所はね」
「今の所はですね・・つまり3光年速とは、約3年を1年で航行すると言う事ですよね?」
「そうだが、なぜそのような質問をするのであるか?」
SKIは首を捻った。
「宇宙特進路は、その時間・距離をゼロにします。敢えて宇宙船をこちらで製造した意味が出て来ます」
「ふ・・言って見たまえ」
優は言った




