激しさを増す戦闘
優が聞くと、首を振る雄太・・
「いや、俺にも分からない。けど、何かが叫ぶんだ。今やれとね」
「雄太の中のランが言っているんじゃないのか?まあ、でも宇宙船の解明は、ほぼ完了した。我々は、3光年内の地球から近い恒星の探索に行ける目途は立った訳だ。2つの星から学ぶ事は多かったよな」
「うん、そうだね。だからこそ、征服なんてしちゃいけないんだよ。その目的上にある星人は邪悪なんだよ」
雄太は自分に言い聞かせるようにそう言うのであった。
誰も、その判断か正しいのかどうか等は分からない。しかし、実際にビリアン星はジャーク星に攻め込まれたし、彼らが戦闘種星人である事も理解出来る。そして、やはり恒星の寿命が尽きる寸前であると言う事だ。この事を持って、彼らは移住先を求めて焦っている。それを雄太は阻止した事になる。手を結ぶ事等は到底考えられなかった。ビリアン星電脳と組めたのは、そこは理性ではなく、合理的な打算があったのだろう。そこに意志は働かないのだ。
ただ、SKIはビリヤン星電脳と融合する事は無いと断言した。そこにその星には違った文化、歴史があり、その法も違う。相容れない部分も相当に多く、それは融合されてしまう危険性もあるからだと言う。そして、ビリヤン星電脳にはもう、容量的に新たな情報を詰める余地が無いとSKIは言った。それを拡大させる事も組成上不可能であるし、危険でもあると再度重ねて言うのであった。優達にも何となくは分かったが、SKIを全幅に信頼している彼らにその判断は間違いでは無いと思わせるのであった。
また、シーンはどうしてもジャーク星人との戦いは避けられなかった。彼らにもやはり電脳が存在し、宇宙船を量産出来るシステムが残っているようだ。この科学力は、ビリヤン星から学んだものらしい。どうしても奪取出来なかったのが、宇宙特進路の理論的分析のようだ。確かにSKIですら、解析するのに、丸5年以上も費やした難解なコードを、地球上の公式・方程式を新に創り、解いていかねばならない。その方式も、ずっとずっと低い科学力でしか無かった地球上で発表されているどの学説も通用もしなかったし、そもそもそんな定理すら成り立たないと言う所から始まった。よって、そこで初めてSKIはこのビリヤン星電脳を分化し、切り取ると言う荒業に出たのである。その事を持って分化された中から、やはり相当のセキュリティコードを解除し、ようやく解明に至ったのだ。そして、もう一つのキーがあった。その無の空間を切り裂くと言う手法と、どこかに穴があると言う場所の特定にも大きなヒントが隠されていた。一部をここで、戦いと同時のシーンと共に解説して行きたい。
「うおっつ!ジャーク星人のソードは危ねえわっつ!」




