いよいよ、異星人との戦い編に
「現在、この地球は一時的な平和を取り戻している。ビリヤン星からの相次ぐ攻撃と戦いにもようやく終止符が打たれた。ここに居る研究室員は、皆優秀な者達だし、これからもこの施設内で研究・開発をして貰うが、機材もようやく揃い出した所だ。旧時代程の大きな生産能力は無いものの、新にここに我々が持ち得なかった遥かに高い科学、宇宙学等がどうにか今解析出来つつ、我々には新たな製造クローン技術が入手出来た。隣接する施設は、ビリヤン星から何百回にも渡り解体して移動して、ここで組み上げた物だ。これまでの地球の科学力では到底及ばない超高度なものであると認識を新にしている所である。そこで、その技術要員も増員し、300名体制で工場群をそこにも隣接する計画で今進んでいる。今や我々人間生体を脅かす怪物は一掃したし、穏やかな草食性の怪物は居るが、害は成さない。又海においても、今もなお深海鮫バルーなど一部の海獣は居るものの、その海獣に対する防御網と、対処法は確立出来たと言って良いレベルまで上がった。はっきり言うが、戦いの連続の歴史であり、その上で我々は今ここに居る。安穏と言う事は、大事なものだが永続出来るものでは無いものだ。しかし、ここで言う。我々は未来を紡ぐ為には、こうした努力・研究が止む事は無いのである」
SKIは鼓舞したのであった。流石にこの言葉は全員をぴりっとさせた。この状態は、束の間の平和。そして、今から学ぶ事は限りなく多く、そして全員の力が必要である事。目標を彼らに与えられたのである。兵軍も同じであった。シンゾウが見事な言葉で、今までも今からも個々が鍛錬を怠らず、今はここでもかろうじて平和と言える時を迎えているが、このジャーク星人の模型には、邪悪を連想させる言葉を当てはめればそのままだが、強い嫌悪感に近い印象もあった。この時代は力で屈服させて来た弱肉強食の世界でもあるが、そこには純粋なる闘争心が支配している。しかし、それ以外の感情、例えば騙す、裏切る、陥れる、戦うのでは無く一方的に虐める、その負の物を学ぶ事は無かった。しかし、その全てを凝縮しているような象徴的な模型に、何か遺伝子的な拒否反応が起こっていたのだ。これぞ、自分達の現実なる敵と、シンゾウは仮想シンボルとして力説している。それは、間違っている意識操作なのかも知れないが、相当の効果をもたらしたようだ。一時の平和に慣れていた兵士達の心に強くそれは印象づけられるものとなった。そして、宇宙特進路の情報を彼らが得たなら、真っ先に地球に進出するだろう事も、疑いなく思ったのであった。
このスピーチをSKIは絶賛している。その理由は、次の言葉に示される。




