第1章 俺達って何者?
こうして、突然変異をして次々と生まれる異性物に席捲され、再び人類と言うもともと地球上に居た自分達とほぼ同形態の生物も、過去の度重なる地球的大事変によって、既に絶滅してしまった。また僅かにそのワクイが施した遺伝子操作によって生まれたトップ5の遺伝子を特に継承された子孫達が、復活・再生遺伝子が成せるものによって、シンゾウの系譜が現在存在するらしいのだ。自分達の他にも、もしかしたら居るかも知れないと言う話を、パパッチ=シンゾウもシンタ達には伝えているが、その彼も出会った事はまだ無いそうだ。でも、何?このあやふやな情報って・・。
ママッチも自分達と同じ形態をしていて、とても若々しくて優しい母親であるし、父を深く愛していた。二人はとてもここまで幸せな生活をし、過ごして来たのだ。シンじいちゃんを確かに彼等が覚えていると言う事になると、前述の300歳で亡くなったと言う事と合わせて、この二人の年齢は軽く200歳は超えるのだろう。そうで無くては常識的な回答は得られまい・・だが、そこにも大きな何かが隠されているのかも・・だから今は謎だ。
そして、ワクイが再び地球上に戻って来て、こう言う異種生物を解き放った所により、また過去の地球上で散々オイタをし、その時に数重なる遺伝子操作によって誕生した動植物達が再生した個体群も含めて、もはやその原種からは程遠い姿になっているようだとは聞いた。繰り返すが、何でも彼らシンゾウ達が、トップ5と言う優良遺伝子を持つ少ないその人種の子孫のようだと言う事までは分かった。だが、食われて再生する?そのパパッチ=父と言うのも普通では無いらしいし、また二人の動きも、やはり普通では無いようだ?でも、何が普通でそうでは無いかなど、そんな現状を不思議に思う者もここには居ないし、恐らく誰にも分らぬ事だった。今倒したピラリックも再生すると言う言葉が、何か尋常ではない世界のようである事だけは確かのようだ。
「お兄い、でもぶっちゃいくだけど、意外と美味しいよね、このミミッチってさ。倒した中では1、2位だよ」
「ああ、そうだよな・・こいつは色んな怪物が居る中でも弱っちい方なんだけど、何でも飲み込むからな。でも下手に切り刻むと、狂暴な強敵に再生しちまうからよ、危ない部位を傷つけないようにしなきゃならない。その点はアカネ、お前も少しは腕を上げたじゃないかよ」
「うふふ・・お兄いに、褒められちゃった。珍しくさあ」
「何事も経験値がモノを言うって、シンじいちゃんはそう言っていたよな」
「うん・・」