異世界との戦い編
「そうよね、その危惧を雄太君が予測していたからこそ、この質問になったのよね。そして、我々も又、未知なるウイルスによって滅びる可能性もあるわ。むしろ、その数値が高いかもよね。つまり、雄太君、そう言う事を言いたかったのね?」
「ふ・・」
優は、雄太の言う事をほぼ理解していた。その点だけは、若い学者のダナン、リンゼには付いていけない展開の話題であった。しかし、そう言う論調でこの人は来るんだと、ここで、ダナンが、
「異世体人の空間を切り裂き、この地球上で活動している最大時間は、20分程です。それ以上の時間は今の所観測されておりません。つまり、ここにヒントが御座いますでしょうか?」
「あ・・ふふ。言っちまったね。ああ・・重要な一点であると俺は思っているんだよね。地球上に何故出現しているのか、我々の領土を乗っ取ろうとしているのか、或いはここに移住を考えているのか、又は自分達の世界が滅びようとしているのかも知れない。しかし、彼らは平和を望んでいない。現に闘いを繰り広げている。これは征服したいのか、今の所、先住民である我々の力量を図っているのか、実験を行っているのかだね。もっと前から確かに誇張、妄想的な異世界の話や、地球外惑星からの来地球への来訪話は無数にあった。だけれど、実際に証明出来た者は殆ど居ないんだよ。或いは地球上では発見されていない未知の鉱物だった。だから地球外生命体だと言うこじつけもね。そして、我々の科学力は到底そこまで達しても居なかった。戦争に明け暮れて、軍備にばかり費やした時代が長く続いたせいで、本来もっと研究すべきだった。科学にその費用をかけなかったからだよ」
「何が言いたい?今更そんな事を言ったとしても、雄太、君は何時も現実的な対応を語っているじゃないか、確かにそうなんだが、今の俺達はその先を見ようとしているんだ、だから、ダナン、リンゼも加わっている」
サネアツが話をズバッと切り込んだ。
「もう、実働部隊が、あっちの世界に潜入しようと言う話になっているだろ?君達は無条件で賛成なのかい?」
「おっと・・SKIが認めている案件だぞ?雄太、お前は反対なのか?」
サネアツが血相を変えている。決定した事項に今更異を唱えるのかと。
「いや、俺も勿論決定に異を唱えていない。言い方を変えよう。対策があるのかどうかだ」




