共闘戦線
「ええっつ!」
ミライは声を上げた。しかし、ガマルの視界から消えたケンゾウは、何とその巨体を持ちあげたのである。
「むむっつ・・流石に重いぞ、こいつは」
「も・・持ち上げた・・20トンは下らないガマルを・・」
ミライの眼が点になる。そして、どどおーーーん。
ケンゾウがガマルを放り投げた瞬間だった。腹を上に向けたガマルに今度は長刀を抜き、ぐさっとその腹に突き刺したのである。
「ぐががああああっつ!」
ガマルが腹を見せる事は考えられないものだ。しかし、ケンゾウは30トン推定あるガマルを持ち上げた。そして長刀で腹を突き刺したのである。
「ふん!やっぱり腹が弱点だったか。お前には再生力が無い。唯一の弱点と言えば、この点と腹であったんだな」
ケンゾウが最強とも言える地上の特級怪物ガマルを単騎において倒した瞬間であった。
「やはり重力受動体に、犬族の遺伝子がベストマッチングしたのが、ケンゾウ軍団長なんですね。凄い・・人間生体が単独で特級怪物を倒せる日が来るなんて」
名実共に、ケンゾウがSKI軍団の最強戦士と証明した瞬間であった。
シンゾウも呟いた。
「俺にも重力受動体はあるものの、ガマルを持ち上げる事は不可能に近いよ、ふふふ」




