第1章2節 自分達と同族か?
シンゾウはこの怪物の事を良く知っており、遭遇したくない相手だと言っていた。この現地球には、得体の知れない怪物が無数に居る。ワカナと違い、また無食でも生きていける者とも違い、シンゾウは食する。子供達もそうである。しかし、無数に存在する食の対象となる怪物、植物はそれこそ無限に近い位に存在するものの、食しても良いもの、悪いもの、そして戦うべきもの、忌避するもの。それはシンゾウが無数の相手と出会い学んで来た事だ。このデマルクは、その中でも最も忌避すべき存在なのであるらしい。
ワカナは知っていた。その時、自分の存在を消せるワカナに対し、突然彼女を襲うデマルクに対し、シンゾウが助けに入り、その隙に飲まれてしまったのである。デマルクの形態的特徴としては、小山程の恐らく現地球上にどれだけの怪物達が居るのかは分からないが、その中でも超巨大、或いは一番大きな怪物かも知れない。繰り返すが、ワクイから逃れて、隠遁生活をしていたワカナだが、この時はシンゾウと行動していたのだった。ワカナには少なくても敵は少なかった。デマルクが襲って来た時は、何時もならこの相手が、無反応を示すのに襲って来たのである。それが、ワクイが仕掛けた罠であった事も、彼女も、既に分かっているのだが・・。




