不利な状況に
「その通りだ。そこで、お前達SKI軍と言う集団の事を学んだのだ。確かに集団を持つ事は、敵に対する常に食が必要無い時でさえも、戦わねばならない必然はかなり軽減出来るし、それによって無駄な体力を使う事も無い。体力と言うものも無限では無い事は、お前達も我々も同じだと気づいたのだ」
「ふ・・それが分かっただけでも、他のデマルガー達とはまるで違うとは思うが・・な」
笑っている顔では無いし、表情も読み取れないが、確かに『アミー』は言葉だけでも笑うと言う表現をした。
首を傾げながらもこのデマルガーⅠ型亜種は、
「どうだ?ここで、互いに自分達とは戦わない選択肢は無いものだろうか?」
「うん?戦わない?我々と・・何と、お前は奇妙な事を言う・・」
サネアツが、
「どうでしょう?SKI・・相手をたばかる、戦略まであるとは思えないのですが、これはそこまでの高等戦術では無い交渉に思えてしまうのですが・・」
「皆、どうだ?このアミー軍団と、デマルガーⅠ型亜種の共同戦線と言うものは受動可能か?拒否か?今決断をする必然性がある。どちらも正誤は無いとは思うが」
雄太が、手を挙げた。
「様子を見ると言うのはどうでしょう?知能は確かに高いです。ですが、集団としてのルールや、規律と言うものはありません。つまり、彼らは思考をし始めた段階だと思えたのですが」
「ほう・・さっきまで緊張で、難しい顔をしていた雄太がそんな事を言うとはな」
優が微笑んだ。
「ここは、アミーに任そうか?実際に彼らと共同戦線を今張っている状態で、他の新種怪物達を退けている状態は有効なものだと学習したのかも知れない。それに他デマルガーは、バルーよりも遥かに知能が上だ。確かに学ぶのかも知れないな」
「ふうん・・そう言う事なら、判断をSKIが行うのではなく、初めてであるが、アミーに任せようか?勿論、フォローはするが」
サネアツの提案に、ここは、直接アミーにそれは伝わった。
「初めて自分が己の考えで行動せよと言う指令が入った。よし、お前も名前が必要であろう。俺達は名で呼び合っている。つまり、個体識別名だ。分かるか?」
「じゃあ、我は、『デル』と名乗ろう。お前達の森林を共に守護する形で、我々は移動したい」
「良し、ただし、我々は監視と言う部隊も周囲に居るからな。お前達が攻撃を再びするのなら、これまでと同様に戦い続けるだろう」
「それは、我々も同様だ・・」
こうして、一部の状況は突然変化し始めたのであった。




