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者々共出会え!  作者: 白木克之
552/640

不利な状況に

 モニターは、以前のような高い科学力時代を持ったものでは無い。しかし、雄太の開発した複数の微生物による画像はとてもリアルで、電源を必要としないので、美恵子の思念によって、正面のスクリーンに映し出されている。美恵子もアマンの能力をそのまま保持しているし、むしろ、このSKI軍達もスキルアップしているのである。

 デマルガーⅠ型亜種は、銀箔色のメタリックな体で、尾はあるが短い。人間生体により近い形態に派生して来たタイプで、今30体が確認されている。ほぼこちらも超再生の不老不死に近い体を手に入れたと思われる。金属素子の人間生体に近いワクイ型の、恐らくこのタイプが究極体に近くなりつつあるのだろう。メバチックアミー軍団も、SKI軍によって、コウタ開発の遺伝子を組み込む事によって、殆ど人間生体と変わらない姿態であり、知能も旧時代の大学生レベルまで高い。それは、とても優秀だと言う事だ。人間生体とも今後交配する事によって、数百年、数千年後の世界があるとするならば、地球にはまた新たな人種が誕生するであろう。その時には、現SKIにおける人間生体なる者達も、どうなるのかは分からないものの、彼らから見たならば、旧型生体と言われるのかも知れないし、彼らの姿態に自分達も変化せざるを得ないのかも知れない。ただ、そんな未来を今想像しても、荒唐無稽の話になるであろうし、今は、生き残れるかどうかの境なのである。不老不死同士の戦いは、ワクイ軍団とも争ったように、どちらか一方を滅させない限り永遠と終わらないのである。その時、より強力な体を持った者がこの世界を牛耳るのだし、君臨するのだから。

 モニターには流暢な日本語で、アミー軍団の軍団長アミーに接触する一体のデマルガーが居た。


「お・・」


 サネアツは確認するように画像を注視した。その生体は、とても雰囲気からしても毅然としているように見えて、この中の間違いなくトップであろう。そして、何故か一団を形成する他のデマルガータイプとは、全く違う戦いを選択しているのだ。その点で言えば、アミー軍団もそう言うメバチック派生一群からSKI軍に加わったのであった。そして、メバチック軍団を今完全に仕切っているのが、このアミーなのだ。戦闘力も5軍団長に匹敵するし、知能も非常に高かった。つまり、このデマルガーⅠ型亜種とはほぼ互角に戦えるだけのやはり突出している個体群なのである。こちらはSKIには、絶対的服従を誓っている。


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