不利な状況に
「聞こうよ・・モニターでそれは再現して貰おう。敵とみなしているデマルガーだが、最も強力的で知能もメバチックに相当する高い少数生体だ。確かに、現複数の変種怪物達とも戦っているし、押されてはいるものの自分達とほぼ同様に何とか退けている状態だ」
「サネアツ・・それは君がこの現在の会議で、滅すると言うSKIの方向性を否定する考えなのか?」
優がやはり厳しい顔をして、
「いや、この幹部会議・・と言ってもトップ5とSKIの最高司令部の会議なんだ。兵団の幹部は、間接的にしか参加はしていない。ここでは現状における方法論を話していただけで、共闘なんて言葉がデマルガーⅠ型から出て来た段階で、まるっきりこの会話の方向性が違うだろうと君は思った。それは俺も思ったが、どう言う意図があるのかを知る必要もある。どうだ?今君は、とても重要な自身の葛藤していた事項を話そうとしている。それは、誰もが感じてはいたが、口に出さなかった一線であるらしいと思われる。だが、それを言う前に、この話を聞ける間を持てるか?どうだい?」
優が、雄太に最後は静かな口調になってそう言うと、間が開いた。そして、
「少し切羽詰まっていた考えだが、口に出す以上は、俺も、もう少しだけ時間を持とう・・黙ってモニターを見るよ」
「有難う、雄太。君はとても優しい男だ。そして、それはSKIにも十分に理解されている。そこまで決断させる程ひっ迫した状況になる前に、やはり俺達は生き残る為の戦いを選択した以上は、どんな方向性においても向き合わねばならない。でも、今一つ呼吸も必要だろうな。そこまで思いつめさせて御免な・・」
「う・・」
雄太は緊張から少し優の言葉にほぐれたようで、サネアツ、麗華、美恵子に肩を優しく叩かれながら、涙を零した。痛い程分かっているのだ。出来たら、無慈悲なる方法論など取りたくないって事を。だからこそSKIは、武具を一端封印したのだ。だが、それ以上に怪物生体達の形態変化が早すぎて、自分達の居場所を圧迫して来ている現状においては、もはや手段等選択できない程になっているのだ。やがて体力や、不老不死の体は戦闘に耐えられて、再生されたとしても、その精神力は保てまい。そう言う現状が近づいて来ていると言うぎりぎりの時なのであった。




