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者々共出会え!  作者: 白木克之
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どちらが先か

「正論・・それは常に変動するものである。時代背景、環境、世情・・それぞれに価値観も変わるのだから、その一定しないものに現正論をぶつけても無意味だ。何故に争いが起きるのか、そこには常に欲望があるからだ。欲望の最たるシンプル的表現とは、そう言う事だ。食べると言う事は、生きて行くエネルギーを得るためにある。次に性欲だ。繁殖し、子孫を残す為にある。ところが、そこから人間には他の生体には希薄な物欲と言うものが出て来る。それを持つ為に、支配欲と言うのは邪肉強食の世界ではシンプルなものだが、人間の場合は、数、力、知恵で勝る者がそこに加わる。金銭欲もそれにあたるが、より多く、その物量を持つ者が人を動かし、その金銭によって配分し、支配をする事になる。つまり、戦争が起きると言う必然とは、その欲望をその他に向ける事をしなかったのからなのだ。群れを作り、その集団の価値観だけで独占的に支配する為の権益を得る事、つまりそこからより多くその権力を持つ者が、その物欲に支配され、力によって奪い取る為に戦う事を選択したからである。では、どうするかと言えば、これもシンプルだ。その感情を取り払えば良いのだ。至福の時に居る時には、人は争う事は放棄する」


 優が鋭く突っ込んだ。


「では、その欲望を取り払った後、無力化した者達はどうすると?SKIが主導すれば、それが法となり、それに支配される世界になるのでは?」

「いや、違う。隷属する、させる事では無い。その者達には、常に目標を与える事だ。その目的の達成感こそが至福への道となる。それは、宇宙論にも繋がるであろう。そこで例えば何故『無と有』とは何か、そこに何があるのかと言う、興味、探求心であるとかな」


 優が頷いた。


「成程、常にテーマを与える事ですね?人類全て科学者であり、医学者であり、そう言う思考し、研究する・・物を創る、そこに思考を巡らす、常に何かを求めると言う事ですね?そこには略奪するとか、他の者のアイデアを盗むんじゃなくて」


 SKIはにこりとした。優は、そこに競争原理と言うのがあるだろうと指摘したのだ。


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