どちらが先か
急速にデマルガーが形態変化と共に、次々と特級レベルの怪物達を、駆逐或いは制御すると共に、地球上の勢力図は大きく変化して行く。その様は、デマルクが地球の陸上を肥沃な大地に変えたように、どちらかと言えば、功の方にあたるのだろう。以前のワクイ的考えで言えば、より強い者がこの地球上に君臨すると言う事だ。
この間に、コウタは完全とは言えないものの、あらゆる彼に関する記憶が集められ、以前のような会話が出来るまでになった。姿はキングのままであるが、改めてキングの姿も、この話の中で枝葉の人物として紹介もして来なかったが、所謂美形である。以前のコウタより凛々しく、銀髪であり瓜実顔の美青年なのだ。シンタ達と何度も戦った時もそうであったのだが、彼らには美醜と言う意識が無かった。元帥に出会い、それは人として必要なものだと教えられ、シン達にも芽生えて来た感覚であったが、既にそのシン達は、優達トップ11に目覚めているのだから、こう言う形容が今は必要であろうと紹介をした。
「メバチックに関しては、アミー軍団は既に人間体に近づいている。自らある因子を注入する事によって、形態変化が進んでいる。殆ど我々と変わらぬ姿態に数世代後には変わるだろうし、その中の突然変異体による不老不死体においても、徐々に形態変化が進むだろうと思われる。さて・・メバチックだが、確かに同じように考えてやって来たが、エム猿人とは少し違うんだよねえ」
コウタが少し悩んでいるようだ。そこへ右馬が、
「あの・・こう言うやり方はどうでしょうか?我々は、人工授精をやっておりましたが、その時に注入する因子もありました。だが、それとは別に複合素子と言う例えば、免疫性・抗体性に強い遺伝子を組み込んだものを摂り入れていました」
「ん・・?それは初耳だね。摂り入れてと言う事は、日常?それとも定期的に?」
「定期的にです。例えば月に一度服用する形でした」
「その物自体はどこにあるの?」
「私が持っております。予備庫と言うのがありまして、自分が担当していました」
「右馬君は、武将でもあったよね?確か」
「はい、我々は平民一体と言う指導方針でありましたので」
「成程、戦時の医学者も必要だね、君は学者でもあった訳だ。じゃあ、それを見せてくれないか」




