新勢力図
「はは・・勿論だよ、この世界は物質の中にある。唯心論なんて言葉の遊びだからね」
「まあ、証明出来なかった過去であれば、そうして不可思議領域として、どこかに置いておくしか無かったんだからね」
雄太が言葉を捕捉する。しかし、SKIはもっと踏み込んで言った。
「究極的には、無の世界とは、宇宙創生の話になって行く。誰もこの段階でその原理を解明した者は居ない。しかし、無と有と言うのが隣り合わせの対極であるならば、無も又存在する定義となる」
雄太が、頭を抱えてしまった。
「その理論まで行くと、僕も辿り着けない。もっともっと未来に行かないと・・」
優が、
「だからさ、雄太。そんな事より、常に俺達は現実に向かって来た。そこを追求したり、解明するよりも、今は眼の前の対処の方なんだよ。だって、俺達は地上に住めないんだよ、未だに。『龍の巣』だって、何時までも安定地では無いんだからな」
「すると・・いよいよ、こちらは一族と言うか新人類化の改造計画ですかね」
サネアツが、またここで突拍子も無い発言をした。優と雄太が眼をくりくりさせた。
「な・・何で今の会話からそこに飛ぶ?やっぱりサネアツの発想は読めないや」
優と雄太も苦笑したが、美恵子がここでやっと発言。
「いえ・・もうその段階よね。今人類或いは、その系列の生命体が居る。それを実行できるのは、地球再生への道筋よ。そして、デマルガーがどんどん進化のスピードを速めている事は、やはりワクイ型のミュータント人類が地球上に誕生してしまうと思うの。なら、ここはコウタ博士の完全復活が望まれるわ。もう一人・・SI軍の中に右馬が居る。二人は、とても重要な役割になると思うのよ」
「むう・・」




