新勢力図
「どうやら・・君達の中でそう言う方向性に傾いたようだな。私の基礎にも存在する沢木 純は生前、ずっとそう言う事を言って来た。また*香月博士との会話の中でも、同じ話をして来た。彼らは、その何かを感じていたんだ」
*白い雲等多数、自身の著にも出て来る一連の小説の登場人物
「じゃあ、今のデマルガーとは、やっぱりワクイの求める究極体であり、ワクイと言う存在は消えたんじゃなく、浮遊生命体で存在していると言う事なんだね?それは、我々もそうだったように、生命体の死とは、その浮遊体に戻り、シャッフルされ、より強く進化する為に、生きている実体により具現化して行くと言う事なんだと。つまり、その実体じゃなくては原理を解明したりする事は出来ないし、物も創れないから」
SKIが、
「ずばり言うとそうなるよな・・ここは優の祖父、沢木 純の言葉だ。SKIは沢木でもあり、山本五十六でもあり、もっと太古から存在する意志・・陽であるのだろうと言う事になって行く」
「こうなると・・本当の敵とは一体なんでしょう?デマルガーと戦う事が、今回と言いましょう。我々が今存在する意味においての、実体戦争でしょうか?今度こそ終わりのない戦いになるのかも」
一同が黙って頷いた。そして、間を少し起き、麗華が意味深な事を言った。
「記憶媒体がその意志を具現化しているのなら、雄太君の発見は、その糸口を掴んでいたのだし、サネアツ君は、ケンシン時代にその突破口を開いていた。そして、今世において、理論的な道筋に行き着いた。と、言う事はSIとの闘いに、透過体として活動して来た事は、次のもう戦いにおける示唆するようなものであったと?それこそ、シンと言う存在は、常に天から聞こえるような声が聞こえていて、そのレーダー的なものこそが大いなる意志と言う事になる。勿論、観念的と言えば、神、仏教に近い得体の知れない偶像崇拝になってしまうのだけれど、もうサネアツ君は実体の証明まで行き着いた。でも、改めて言うけど哲学で言う所のこれは唯物論的世界よね?」
優が笑う。




