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第1章2節 自分達と同族か?
事実、地球上に存在する幾多、無数の怪物達は再生はするが、全て食物連鎖によって成り立っている。その点で言うならば、生死と言うものがあるのだ。シンゾウ、ワカナの二人の子供達は確かにいきなりその怪物達の存在も知らず、地球上に出て初めてその世界に遭遇し、食われた事も無数だった。しかし、その度に彼らは超高速で再生し、戦いの度に学習し、且つ対象生物を捕食したりもする。自分にとって受け入れられない食も勿論あって、それも学習しながら、現在何故こんな区画・エリアが存在しているかは、ワカナに対し、自分の父であると主張するワクイが意図を持って創出した事は、薄々分かって来たものの、自分と言う存在が地球上にて夫シンゾウと出会うまで、殆どは現在のような亜空間にて過ごして来たのだ。故に彼女自身にとっての現時点での自分が存在していると言う実感は、彼と出会う所から始まるのである。常にワクイと言う父の存在はあった。しかし、彼女はその亜空間の中で、自然と学べる恐らくワクイによって与えられて来た知識のみで過ごして来たのであった。




