転換の時を迎える
SKは沈痛な面持ちで語った。SIには、SK軍が壊滅的な被害に遭ったと言う情報が誠しやかに伝わっている。これぞ、攪乱戦術なのであるが、圧倒的兵数と武器に勝るSI軍は、戦術では確かに負けたかも知れないが、戦闘力と言う点では幾ら分散してSK軍が兵数を分けていようとも、全てのレーザー銃、レーザー砲を避ける事は無理である。光速で飛んで来る武具に勝ち目等は無い。こちらもその武器で応戦はして、倒した兵士の数では圧倒的勝利を収めていても、SKにとっては勝利とは言えないのである。
その間もSI基地内には内乱が続いていて、同志撃ちさえも始まっていた。何故か?味方が味方を攻撃しているのだ。
「止めろ!何をやっているんだああっつ!」
右馬を失い、幹部将軍は左馬だけになった。続く将軍は居るものの、どうもここへ来て基地内のあちこちで、ある筈のない事態が起きていて、そちらの対処にあたっている上に、SIが今見えているものは、沈静化するであろう見込み出会った雪山がどんどんと雪崩を起こし、もう塔は完全に水没している状況になっている事だ。つまり、彼らはもう陸上へ出る事が敵わないのである。海中もそうだ。潜水艦等の出航出口には夥しい数の『深海鮫バルー』がたもろしているのだ。出航した途端にほぼ潜水艦と同程度の個体も居る。体当たりされれば、潜水艦等脆いものである。途端に制御不能となるだろう。そこへ、今度はSK軍の『潜水艦大和』が水中ミサイルを撃って来ているのだ。これはリアルにSIに伝わっている。そして、この水門が開かない限り、SI軍から同ミサイルは発射出来ないのである。
どかーーーーーーん!どどん、どどどど、どん、どん、バリバリ・・・
もう水門すら破壊され、またそこから海水がせり上がってくる。勿論防御壁は幾重にも張られているものの、これは完全に潜水艦の機能を失ったのである。その今度はレーザー銃、レーザー砲が基地内で乱射の如く味方のへ兵同士がまるで狂ったように同士討ちをしているのだ。数名の将軍もそこで命を失った。SIは、急遽大号令をかけた。
「静ずまれっつ!」
ここで基地全体に、白い煙幕がしゅうしゅうと音を立てて、覆ったのである。これは・・SKが分析をしていた。




