逆説の論理
「敵はレーザー砲と、高速移動車中心のようです。兵数は約1000名でしょう」
「隠していた兵器のようだね、ビリヤ・・お前は的を狙え、メバチック群に包囲はさせている。良いか?もう眼倉滅法で構わない。的に当たれば、それで良い」
ララは、マグナム銃をメバチックに教えていた。それも単なる旧式の銃では無さそうだ。もう合図と同時に、ビリヤはピーっと笛を吹く。何といきなりコモリゴンの大群が上空に姿を現したのだ。
「何いっ!コモリゴンが、いきなり現れた。撃てっ!撃てっ!」
SI軍はレーザー砲を撃った。その何発かはコモリゴンに命中したが、しかし、落下する前に超再生したコモリゴンは、足に握った手榴弾風の物を投下して行く。
ががーーん、どかーーん。その辺りが濛々と砂埃をあげ、もう辺り一面が見えなくなったのである。これが空中作戦の一策で、こうなるとレーザー砲は効力を発揮しない。またメバチックが空中にそれを投げると、はっしとコモリゴンが掴み、更に強烈な爆撃と共に、ますます視界が悪くなって行った。しかし、そのSI軍の戦闘車の位置が正確に分かるように、命中して行くのであった。戦車の大半はここで破壊され、SI軍は壊滅状態になった所で、メバチック軍団は、小型農機を連想させる装甲車に乗り、進軍して行った。マグナム銃で、どうにか戦闘車から逃れたSI軍はどんどんと射殺されて行く。再生細胞があろうとも頭部を打ち砕かれれば命はない。そして、SI軍の再生細胞は何度も可能ではない事も分かっていた。
圧倒的なSK軍の勝利であった。
「当部軍が壊滅ですっ!」
「何だとおっ!」
右馬司令官に戦慄が走った。
「予想を超える攻撃だった。秘蔵していた高速戦闘車がやられてしまった・・」
SIも予想外のこの大規模戦闘初戦に敗れてしまった事に、混乱をきたしていた。しかし、それでSK軍の攻撃は終わらなかったのである。
どーーーーーん。エフゾーン周囲の雪山が、大きな音を立てて崩れて来たのである。エフゾーンの周囲は湖であったが、その勢いでどおおおおーんと津波が襲った。
「門を閉めろっ!すぐにだっつ!」




