逆説の論理
「そこで、軍略を駆使し、雄太軍師があらゆる策を練っている。勿論、正攻法なんかじゃ勝てる見込みはゼロだ。当然、SIは奇策を仕掛けると思うだろうし、真正面から突っ込んで来るとも思わないだろうね」
「そりゃあ、勿論ですよ」
「だよねえ・・だからこそ、それがこちらの奇策になるんだよ、シンゾウ君。今はシン祖をお休みにしとく。でも、きっと君と同じ事を言うと思うね、今回の件については」
「分かりました・・黙って従うと言うのは当然の事です。何となく今の言葉で、仕掛けがある事は見えて来ました。エフ地区へ向かいます」
「ああ・・お願いするよ。と言っても、僕も行くんだけどね、あはは。麗華も美恵子も行くよ。一緒に」
「はいっつ!」
ここに策ありとシンゾウは直観した。SKの隣にはサネアツが居る。ここも万全なのであろう。
そして、エフゾーンではSK軍が相当の戦闘態勢の陣を敷いているとの情報が刻々と入っていた。
「敵は、複数個所にあらゆる軍団を分散させ、このSI軍を攻撃する準備を始めているようだ。こちらも迎撃では無く、温存していた音速ミサイル部隊や、ドローン部隊を今こそ使おう。敵はコモリゴンと言う空挺部隊があるが、そんな敵等恐れる事も無い。こちらの武器はその部隊より遥かに早く、レーザー砲もあるからな」
SI軍はやはり左馬将軍が、TOPのようだ。幾つかの戦闘でSK軍にやられはしたが、右腕に右馬司令官もいる。以前にシンがウテン、サテンと言うシンカラス時代の同胞の話をしていて、飛躍し過ぎたものだと一笑されたものの、何かここにも因縁めいたネーミングでもあった。だが、この出生とその名前だけの閃きは、繋がる事では無いだろう。
その動きもSKは当然把握している。雄太の新細胞粒子が既に増殖し、SI基地内の情報を取得しているのだった。そして、攪乱情報も常に流している。また、ここにとんでもない大発見があった事も、これから起きる展開に大きくこの戦況は変わって行く。
「来ました!SI軍の先行部隊のようです!」
SK軍は待ち構えていたように、その場所にララ遊軍部隊が居たのだった。




