これって・・どう言う展開なの?
凄まじい咆哮を上げたのはバルックである。デマルゴンは水中でそうだが、硬度にして7以上ある硬い鱗を持つ。この再上陸した個体もそのままの鱗で体全体を覆っていた。
どーーーーーん!地響きが起きた。双方がほぼ同じ速度でぶつかった音だった。つまり、新々デマルゴンは、走力がバルックと同程度ある事を証明したのである。
バチバチバチ・・火花が散り、辺りは砂埃に覆われた。これを観察していたのが、独立して活動する別動隊のララ隊長だった。
「すご・・ほぼ互角だわ」
バルックは、まともには戦えないレベルの特級怪物だった。ララは、見守るしかない。デマルゴンの地上での動きは確かに異質で、初期デマルクは地球上に多大なる貢献もしたが、反面その辺の生態系はおろか、全てを我が道を行きバキュームカーのように吸い込み、消化ししつつ、体内で物質合成もしたのだ。こんな怪物等通常有り得ないのであるが、それでもデマルクを襲う怪物は皆無だった。だが、海中ではバルーが存在する事によって、均衡は破れた。さて・・この行方は・・
ララの見る眼は相当正確だ。つまり、互角と言う事は、新々デマルゴンが特級ランクDに相当するのであろう。だが?これは進化過程なのか?或いは海から逃げて来た退化に相当するのか、謎である。とことん謎なる生体なのである。
そして、ここでは、バルックと新々デマルゴンは分けた。つまり、双方が引いたのである。こんな引き分けのような決着が今まであったのだろうか、重戦車のように、突き進むだけのデマルクが海に進出すると、アザラシ様の怪物に変化し、やはり硬い岩盤であるとか、所構わずその周辺の魚類、貝類をばりばりと食った。やがて、食の敵になるバルーと争う訳だが、繁殖スピードと、こちらは超硬牙状の歯であり、流石にこちらも金属的に硬いデマルゴンの鱗がばりばりと食われたし、泳ぐスピードも敵わなかった。当然勢力図は、深海鮫バルーの天下となった訳だし、エフゾーンの潜水艦隊すら、留めているのだ。一方『潜水艦大和』は、それよりも遥かに厚い鋼板で覆われ、深海鮫バルーがアタックして来ても、びくともしなかった。更にサネアツの発案で、鉱物砂をスプレー塗布する事で改良も行っているのである。さて、そんな付則説明よりも、この今まで無かった戦闘形態をララは報告した。こんなあちこちでの情報が、またとんでもない発見であったり、思わぬ方向性に繋がる事もあるのだ。この現世、何が起きても不思議な事が無いと言い切れる。
そして、サネアツと麗華が、優と雄太の所にやって来た。




