これって・・どう言う展開なの?
麗華とサネアツは、二人でかなり長い時間話し合っていた。一方優と雄太の二人も同時刻・・と言っても、この時代に時刻が必要なのかと言う事になるが、それはこれから未来にもし人類が生き延びている時、そこには文化が又生まれ、次の世代に受け継ぐ必要性から、SKではかなり現時代の時刻を刻んでいるのだった。何事も、シンカラス時代には疑問から始まった。何時の時代にも疑問を持つのが人間であるとSKは言う。元帥も孔明脳もそう言っている。なので、これからもそう言う微かな疑問も問い続け、そこから答えを見出して行くのだろう。
優がこう言っている。
「こうして見ると、やはり雄太が結び付けていた現透明微分子とも合致する微単細胞は、ずっと以前からあの無線LANシステムに応用した時には既に存在していたんだよね。今活用して、何か共通するものがあるような気がしてならない」
「優・・君のその言葉は、随分茫洋としていて、的を射ていない発言だよな」
「ああ、答えの見い出せないものは、推論に過ぎない。そして、それを説明する事は難しいよな。でも、何かが繋がっているようなものが見えかけてきているんだよ」
「今、サネアツが、麗華ちゃんと話し合っている。俺の予感だが、ここへやって来るような気がするな」
「あは・・」「ふふ」
優と雄太が、顔を見合わせて笑っている。SKは重大な局面を予想しているのか、シンゾウ、美恵子と共に、大きなスクリーンを注視している。勿論彼らの会話も聞こえているし、彼らもその情報は共有しているのだ。現地でも激しい動きがあった。デマルゴンが、再び陸上に上がって来たのである。
深海鮫バルーに居場所を奪われたデマルゴンは、今度は4本の脚を持ち、ワニのような形態で陸上に再上陸をしていた。今度は以前のような大型では無いし、全くその性質も違っていて、ブルドーザーのような周囲の岩石であろうが、生体であろうが何でも吸い込み体内で消化して、巨大化するような怪物では無さそうだ。海のように陸上は広くはない。しかし、デマルゴンが海に進出した時から、怪物達の序列や勢力図は大きく変わっており、その中で特に強い怪物が、幾種類か存在していた。バルックと言う特級ランクDの怪物がまず立ち塞がった。大きさはデマルゴンの約2倍あるし、とても脚力が強く、垂直に飛ぶ高さは30Mもある、時速にして100キロは出ているだろう。その上腕の筋肉隆々の鋭い爪先は、硬い岩盤をも切り裂く程だ。SK軍団は極力避けて来ていたのだったが・・
「ぐわーーーーおおおおおおっ!」




