しばらく睨み合い
「捕虜を解放して帰すと言った時ですが、無用と言う返事が戻って来ました。こちらは48台の戦車と、レーザー銃、398丁、レーザー砲48門を取得した訳ですが、敵にはまだミサイルがあり、当然この間も撃ち込んで来ています。その武器を使い、こちらは撃墜しておりますが、戦況は進まず、膠着状態。つまり、一時的な停戦の提案では?」
「それは有り得るね」
優が頷いた。雄太が、
「レーザー砲、銃についてはドイツ基地からのものもあるし、性能的にはむしろ、こちらの方が上です。製造して来た弾薬もありますし、まさか肉弾戦で旧式の銃で撃ちあう事も無いでしょうが、3880丁のマグナム銃もあります。ただ、SI軍が数万人居るだろうと言われておりますものの、まだ全容は計れていないんですものね」
「ああ・・色んなアタックで情報を収集しているし、雄太君の開発による新遺伝子もかなりの情報伝達を可能にしている。むしろ、情報戦ではこちらが勝っているつもりだが、どうにもその辺が見えないんだよ」
「あれから、陸戦に戦車は出なくなりましたよね。今度は航空機が飛び始めています。何機保有しているのでしょう?」
「あれは、旧式のドローンと言う機種だ。無人で簡単に製造出来る。それで、こちらの情報をキャッチする目的で飛ばしているが、攪乱パルスを発生させているので、SIも簡単にこちらの情報はキャッチ出来ないようだ」
「旧式・・つまり戦闘機は無いと言う事ですかね?」
「そうとも言い切れないぞ。敵にはあると言う事を想定しているのでね」
「と・・なると、空中戦になると不利になる・・つまり、和睦の名を騙り降伏せよと言う事では?」
雄太の言う事を尤もだと、リンドウ、ケンゾウも頷いた。
「その線で対応をするつもりだが・・この申し出を拒否した段階で、どう言う行動に出て来るかと思っていてね」
「と・・と言う事は最初から和睦の話は無いと?」
「ううむ、何故か、海千山千の戦略を持つ沢木 純と言う企業家の意志が勝っているようなんだよ。それが私自身であり、また一部の面でもあるのだが・・これは相当に手強い。何故なら企業戦略に置いては100戦100勝と言われた、奇策あり、正攻法あり、先見性をも併せ持つ、自分で言うのもおこがましいが天才なんだよ」
「それは、SKには無いって言うの?分割していた?」




